2014 Fiscal Year Research-status Report
知識転移学習と仮想回路の融合による脳型計算機の確立と自律型ロボットへの応用
Project/Area Number |
26330279
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田向 権 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (90432955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森江 隆 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 教授 (20294530)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳型計算機 / Deep Learning / FPGA / ディジタルハードウェア / 論理回路 / RoboCup / ホームロボット / 自己組織化マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は“学習理論”,“ハードウェア”,“応用”の3つの柱からなる.それぞれごとにサブタスクを設定し,研究の実施を行った. 学習理論グループでは,Deep Learning 研究においてデファクトスタンダードになりつつあるライブラリであるTheanoを導入し,ハードウェア化に向けたアルゴリズム改良に関する検討を開始した.ロボットへの組込みに適したネットワークサイズに関する基礎的実験を行った. ハードウェアグループでは,Deep Learningを構成する要素として,制限付きボルツマンマシンとオートエンコーダに着目,これらの小規模な論理回路構成を検討した.また,Xilinx社の大規模FPGAであるVirtex 6シリーズを搭載したFPGAボードの導入を行い,パソコンとのインタフェース回路(イーサネット,シリアル通信)等を整備した. 応用班では,RoboCup@homeリーグで実際に用いている自律型ロボットへ,脳型計算機プラットフォームのベースとなるFPGAボードの導入を行った.ロボット業界でデファクトスタンダードになりつつあるRobot Operating System (ROS)を用いてFPGAの内部回路をソフトウェアから隠ぺい,提案プラットフォームのROSパッケージ化を実現,ハードウェアに不慣れなロボット開発者にも,本研究で提案する脳型計算機プラットフォームを簡便に使える提案を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習理論に関しては一部遅れがある.これは,転移学習に関する進展が少ないためである.一方で,FPGA内で動作する仮想回路の転移学習に必要な小規模な制限付きボルツマンマシンやオートエンコーダの論理回路構築には着手しており,総合的にはおおむね順調に進展しているといえる. ハードウェアに関しては,上記の通り基礎的回路の構築に着手しており,また,大規模FPGAボードの導入にも着手しているために,おおむね順調に進展しているといえる. 応用班に関しては,FPGAボードのROSパッケージ化に成功し,簡単な画像処理を実現できている.@ホームロボットの開発も順調であり(本研究と直接的な関係は薄いが,学生の活動としてRoboCup Japan Open 2015の@ホームロボット実機リーグにおいて3位入賞を果たした),当初の計画以上の進展が見られる. 以上より,総合的に判断して,本研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画に従い,学習理論,ハードウェア,応用に関して研究を進める.平成27年度は,少々の遅れが見られる学習理論にエフォートを集中して研究開発を進める.
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Causes of Carryover |
FPGAボードに関して現有の設備を利用して研究を進展できたので,主に物品費に余剰が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と併せて,最新のFPGAボードや開発用パソコン等の導入へと使用する計画である.
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