2014 Fiscal Year Research-status Report
情景部品に基づく簡潔・識別的な次世代SLAM技術「部品SLAM」の実現
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26330297
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 完爾 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30325899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移動ロボット / ロボットビジョン / 地図生成 / SLAM / 自己位置推定 / 部品SLAM / 共通物体発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、下記の研究開発に取り組んだ。 (1)教師無し部品発見手法の開発 ロボットの視覚画像を簡潔・識別的に記述する新しい方法を開発した。本方法は、視覚画像を情景部品を用いて記述する。この情景部品は、ロボット自身の視覚経験やWeb上の既知画像群の中から発見する。この部品発見のために、教師無し学習手法である、共通物体発見技術を用いる。その結果として、部品に基づく画像記述子を得る。この画像記述子は、簡潔・識別的な表現となっている。このため、画像検索や画像照合に有効である。この画像検索・画像照合を基盤とし、SLAMシステムの開発を行った。福井大学キャンパスにおいて収集した視野画像データセットを対象として、検証実験を行い、本方法の基本的な有効性を検証した。 (2)レーザーレンジファインダ搭載の自律移動ロボットの開発 自律移動ロボットにレーザーレンジファインダを搭載し、福井大学の総合研究棟において、地図生成実験を行い、地図データセットを取得した。このデータセットは、本研究のSLAMシステムの検証実験に使用する。 (3)シーン解析手法の開発 シーン画像から部品を教師無しで発見する方法を開発した。この部品発見方法は、上記1の研究開発とは異なり、視覚経験やWeb画像群などの外部の知識ベースを前提としない。したがって、上記1の方法と相補的に用いることができる。各々の部品は、地図検索のクエリとして使用する。全ての部品からの検索結果を統合する。この統合には、情報検索分野の教師無しランク融合手法を援用した。検証実験により、提案法の有効性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、シーンからの部品発見、および、部品からのシーン認識に焦点を当てて研究開発を行った。これらの技術は、本研究課題において中心的な位置を占めており、当初予定していた目的を達成できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に開発したシーン認識技術を基盤とし、SLAM技術を開発していく。最先端のSLAM技術を導入し、上記のシーン認識技術と統合することで、最先端の認識性能を達成することを目標とする。そして、得られた成果を、速やかに国際会議で発表するとともに、国内学会での周知、および、ジャーナル論文への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した主な理由は、下記の通りである。(1)ロボットの調達費を安価に抑えることができた。予定していた論文掲載費が、雑誌投稿の時期が次年度にずれた。予定していた国際会議への参加時期が次年度にずれた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のように、論文掲載費、および、国際会議への参加時期が次年度にずれたため、次年度にこれらの用途に使用することを計画している。
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