2015 Fiscal Year Research-status Report
情景部品に基づく簡潔・識別的な次世代SLAM技術「部品SLAM」の実現
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26330297
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 完爾 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30325899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移動ロボット / ロボットビジョン / 地図生成 / SLAM / 自己位置推定 / 部品SLAM / 共通物体発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、下記の研究開発に取り組んだ。 (1)クロスシーズン場所認識の開発 季節の変化など、シーンの外観が大きく変化する状況下において、頑健にシーンマッチングを行う方法を開発した。具体的には、積雪や視点の変化により、記憶シーンと質問シーンとの間で相違が生じるという課題に取り組んだ。解決策として、シーンから情景部品を発見し、記述する方法を開発した。そのために、前年度に開発した部品発見手法を利用した。 (2)部品照合手法の開発 シーンを部品群により表現した上で、シーン間の類似度を算出する方法を検討した。主に、2つの方法を開発した。一つは、各部品を独立な検索質問とみなして、部品ごとに記憶画像群を検索し、各記憶画像の順位(ランク)を求め、融合する方法である。もう一つは、部品ごとに記憶画像群を検索し、各記憶画像までの距離(非類似度)を求め、融合する方法である。それぞれの方法を、ロボットの主要な国際会議である icra2015 および iros2015 にて発表した。 (3)マップマッチングSLAMの開発 ロボットの視野画像列を一つに統合し、大規模な屋内環境地図をリアルタイムに生成する手法を開発した。具体的には、ロボットの視野画像列からビジュアルオドメトリに基づいて、走行経路推定を行う方法を開発した。また、走行に伴う累積誤差をリセットする手段として、再訪問地点を認識するための画像検索手法を開発した。その際、認識誤りに対処するために、幾何情報と外観情報を手掛かりとして用いて、高信頼度な再訪問候補を選択するための方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、部品SLAMシステムを開発し、その基本的な有効性を検証することを目標とした。これらの開発および検証を行い、ロボット分野の主要な国際会議である icra2015 および iros2015 において発表を行った。以上より、当初の予定に対して、おおむね順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、当初の予定に従って、研究開発を行うことを予定している。具体的には、システムの実証実験を行うことを予定している。また、得られた成果を、国際会議において速やかに発表するとともに、国内のロボット関連学会において発表する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、以下の通りである。(1)実験機材の調達費を安価に抑えることができた。(2)予定していた論文掲載費に関して、雑誌投稿の時期が次年度にずれた。予定していた国際会議への参加時期が次年度にずれた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のように、論文掲載費、および、国際会議への参加時期が次年度にずれたため、次年度にこれらの用途に使用することを計画している。
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