2015 Fiscal Year Research-status Report
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26330321
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 のりこ 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (80512285)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 音象徴 / 共感覚 / 英語音声学 / オノマトペ / 言語普遍性 / 言語習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、言語音が特定のイメージと結びつくという「音象徴」という現象について、英語の音素が人に与える印象と、その印象に文化的普遍性と文化的特性があるかを検証するものであった。当初は無意味語のみを対象とした調査から得られる知見が期待されていたが、研究プロセスに余裕が生まれたため、対象を実在の語やフレーズ、文章にも広げることとし、平成27年度は、主に以下についてさらに追及した。 1. 上記のアンケート調査結果から、日本語母語話者は特定の音素に対して英語・中国語母語話者よりも際立った音象徴感覚を持つことが示唆されたため、日本で英語を学習する大学生の、英語音素に対する意識を探る前段階として、英語発音記号の学習法に対する意識調査を行った。 2. 上記のアンケート調査で用いた音声刺激はアメリカ英語の音素を基準としたが、イギリス英語の音素が持つイメージと異なる可能性が示唆されたため、アメリカ英語発音・イギリス英語発音の違いについてまとめた。 3. 本研究から得られた知見を文学作品の分析に活かす手法を探るため、これまでに実施してきた英語絵本を題材にした英語活動を振り返り、学習者の反応をまとめた。 4. 実在の英語フレーズや文章を対象とした調査を最終年度に実施することができるよう、楽曲の歌詞や英語絵本の本文データベースを構築し、それらの英文中に含まれる音素を自動的に算出するシステム「音素カウンター」の制作に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では初年度を「調査実施のための準備期間」と見なしていたが、台湾での予備調査実施の可否を問い合わせる過程で、当初調査協力者数が懸念されていた中国語母語話者からまとまった数の調査協力が得られることが明らかとなったため、計画を前倒しして、平成26年度夏にwebアンケート調査を実施、平成27年度に分析と、その結果から示唆された事がらについてさらに追究した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の音素算出システム「音素カウンター」を完成させ、楽曲の歌詞や文学作品中の音素比率と、作品が持つイメージとの関係を探る。
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Causes of Carryover |
「音素分解処理の結果を集計し表示する機能の開発」に要する費用を22万円程度と見なしていたが、端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き「音素カウンター」の構築作業を進め、完成させる。
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