2014 Fiscal Year Research-status Report
動作における「優美さ」評価方法の確立 -「美の線」を基準とした計測・評価-
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26330322
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
上田 悦子 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90379529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小枝 正直 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (10411232)
竹村 憲太郎 東海大学, 情報理工学部, 講師 (30435440)
中村 恭之 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50291969)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人間動作解析 / 優美な動作 / ロボット動作生成 / 古典舞踊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマでは人に優美な印象を与える曲線である「美の線」と呼ばれる「蛇状曲線」をモデル化し,これが優美な印象を与える舞踊動作中にどの程度含まれるのかを,実際の軌道から抽出し特徴量とする手法を提案し,得られた優美さ特徴と人が受けた印象の関係性を検証していく. 初年度は,手先軌道の2次元・3次元解析を同時に進めて来た. (1)2次元解析:手先軌道を,軌道の主成分分析から得られる動作特徴平面に投影する事で2次元軌道に変換し,2次元軌道として解析を行った.2次元軌道上で,蛇状特徴(S字特徴)を4次式でモデル化し,その極値に着目する方法により,少ないパラメータでコントロールする手法を提案した.また,S字の深さも,手の届く最大範囲の40%前後で最も優美さを与える事が,印象評価より確認できた. (2)3次元解析:「蛇状曲線」を円錐表面を走る曲線として,モデル化を試みた.これは我々が「優美さ」の定性的な規範として用いている,画家のWilliam Hogarthによる定義に基づいている.この円錐表面を走る曲線を,媒介変数tを用い,モデル化を試みた.蛇状曲線の形状は「蛇状曲線によって描かれる円錐底面の半径」「円錐の母線の長さ」「円錐軸を回転する角速度」の3つのパラメータによって種々に変更させる事が出来る.また,軌道長も媒介変数tの範囲を指定する事で決定できる.モデル化した蛇状曲線が,実際の古典舞踊動作にどの程度含まれているかを計算し,評価を行った.これまでに我々が所有している「インド舞踊」「ミャンマー舞踊」「インドネシア舞踊」「日本舞踊」「フラダンス」の5種類の古典舞踊動作について,最もその動作の印象を左右すると考えられる両手先軌道について解析を行った結果,優美さの印象が最も高かった(SD法によって11人の観測者から得た結果)フラダンスの動作に,最も多くの蛇状曲線を有している事が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「美の線」と呼ばれる蛇状曲線を,円錐表面を走る曲線としてモデル化し,実際の古典舞踊動作の手先軌道よりの抽出を試みまで進んでいる.計画では,初年度に2次元軌道での解析のみを行い,2年目に3次元解析への拡張としていただが,初年度にも直接3次元空間中の曲線としてモデル化も取組をはじめることが出来ており,当初の計画以上に進んでいるが,新しい舞踊データの収集が出来ておらず,解析や検証に十分なデータ量があるとはまだ言えない.そのため全体的にみると,当初の計画通りに進んでいるという状態である.また,今後の研究を進めるにあたっての準備として,双腕ロボットへの生成動作の実装も行った(2014年ロボット学会で発表)事から,CGだけでなくロボット実機を用いた評価も可能となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
古典舞踊と美の線特徴量の関係については,まだ詳細な解析に至っていないのが現状である.重回帰分析等を用いてより詳細に結果の検討を進めることが,至急の課題である.また「美の線」と呼ばれる「蛇状曲線」を,現在は円錐表面を走る曲線としてモデル化しているが,空間中の3次元曲線を表す手法は他にも非常に多くあることより,それらを用いた美の線のモデル化も行い,各種手法の比較により研究を進めて行く. また,新しい古典舞踊データを取得し,データ件数を増やす事も行う.2年目後半には,見え方に着目した解析方法の検討も始めて行く予定である.
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Causes of Carryover |
追加の古典舞踊データの取得が出来なかったため,謝金として計上していた部分が使用できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目には新しい古典舞踊データの取得を予定している事から,謝金として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)