2016 Fiscal Year Annual Research Report
Why do organisms oscillate? – Investigation of biological function of glycolytic oscillations in yeast cells -
Project/Area Number |
26330326
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
雨宮 隆 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (60344149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 公紀 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (40114376)
山口 智彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (70358232)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酵母細胞 / がん細胞 / 解糖系振動 / 代謝 / 同期 / 細胞間コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生物の振動・同期の生命機能を解明することを目的としている。酵母細胞を用いた実験により酵母細胞は孤立していても1細胞レベルで解糖系振動反応を起こすことを確認した。また,解糖系の数理モデル研究により,1細胞レベルにおいて振動反応を起こすのは,定常的な解糖反応よりもグルコース1分子当たり,ATPの単位時間当たりの獲得効率が7~8%程度高いという結果も得た。すなわち,酵母細胞が細胞内で解糖系振動を起こすのはグルコース1分子あたりのエネルギー獲得の収率よりも時間効率を優先するためと考えられる。さて,解糖系を亢進させるのは酵母細胞だけではない。がん細胞も酵母細胞と同様に好気条件下においても解糖系を亢進させることが知られている(Warburg効果)。そこで,がん細胞と酵母細胞の糖代謝類似性に着目して,がん細胞も解糖系振動を起こすのではないかとの着想に至った。すなわち,がん細胞も振動反応の時間効率性を使って,増殖に必要なエネルギーや生体高分子の材料を得ているのではないかと考えた。人子宮頸がん(HeLa)細胞を用いて実験を行ったところ,個々のHeLa細胞は解糖系振動反応を起こすことを初めて観察した。ただし,酵母細胞とはことなり,細胞密度が高い条件下においても,細胞集団の同期性は極めて低かった。これは,HeLa細胞の細胞間コミュニケーションが欠落していることを示唆しており,がん細胞が増殖しつづけることと関連している可能性がある。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Matter and life, and beyond2016
Author(s)
Tomohiko Yamaguchi
Organizer
Internal Workshop, Symposium on Nonlinear Sciences - The history for 30 years and vision for the future -
Place of Presentation
AIST waterfront, Tokyo
Year and Date
2016-09-26 – 2016-09-26
Int'l Joint Research / Invited
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