2015 Fiscal Year Research-status Report
空間統計学と特許情報分析を統合した技術集積測度推定と地域イノベーション政策評価法
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26330359
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
増山 繁 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60173762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 暁雄 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20710130)
平岡 透 大分工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (30626891)
野中 尋史 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70544724)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テキストマイニング / 政策評価 / 空間統計学による分析 / 技術動向分析 / 産業クラスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で必要となる企業の出願特許の技術内容を調査するため,特許コーパスから技術用語を正しく抽出する必要がある.技術用語は複合語で構成されるものが多いことに着目し,まず,技術用語の前後に存在する「上記板上フラクタル構造体」の「上記」,また,「ポリエチレン層等」の「等」のような削除すべき接頭辞,接尾辞の調査を行った.また,「つなぎ目の部分」における「の」のような名詞間に挿入される表現のうち削除可能な表現の調査を行った. ソフトウェア使用許諾契約書の条項解析を行った.本文書は,ソフトウェアの使用権を他者に許諾するための, 権利範囲, 禁止事項,提供者の免責等の同意を取り交わすための契約書である.人手により個別に作成されているため, 同様の条項であっても, 異なる表現が使用されていることも多く, 使用者に誤解を招く恐れがある.そこで,ソフトウェア使用許諾契約書に対するオントロジーを構築することを目的とする. その足がかりとして, ソフトウェア使用許諾契約書の条項の調査を行い, オントロジーを構築するにあたっての問題点の整理と解決策の考察を行った.ソフトウェア使用許諾書はある程度定型的な文書であり.得られた知見は特許文書の解析に有用である. ニコニコ動画のコメントでは特有の語が使用されており,通常の形態素解析用辞書では適切に形態素解析できない.ニコニコ用語辞書にそのような独特の語,ないし,表現が集められているが,それらは日々新たに作られているため,形態素解析辞書として十分でない.そこで、その拡張を行った.分野固有の辞書作成の知見は本研究の技術用語抽出のための辞書の作成にも活用できる. また,大量のデータを扱うための基礎となるモデリングとアルゴリズムにおいて区間グラフ上における非端末点集合V_{NT}を伴う全域木を求める,および,置換グラフ上で迂回路要節点を求める多項式時間解法を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である抽出した技術内容毎に地域遍在性が存在するか否かを、空間的自己相関モデルを用いて分析するのに特許文書から技術用語抽出する必要があるが,そのための手法を確立しつつある。また、技術内容毎に地域遍在性が存在するか否かを、空間的自己相関モデルを用いて分析する手法の骨子については,既に初年度において確立しており国際会議で既発表(Hirofumi Nonaka, Seiya Kawano, Toru Hiraoka, Takahisa Ota, Shigeru Masuyama, Evaluating Indstrial Cluster by using Spatial Auto Correlation of Patnet Applications , Proc. of International Conference on Advanced Informatics: Concepts Theory and Applications (ICAICTA2014), Bandung, Indonesia pp.188-191 , August 20-21, 2014)であることから,最終年度には新たに取得した詳細なデータを用いての分析が可能となると思われるのでこのように判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
実際の産業クラスタ政策を対象に開発した手法を適用し、その評価と分析を行うための基礎として,これまで開発した特許からの技術情報抽出手法により得られた地域毎のデータに基づき,空間内で偏って分布している度合い、すなわち,遍在性を統計的に分析するために空間統計学の空間的自己相関を用いた手法を用いて分析する.このことにより我が国における技術的な集積がなされているクラスターの地理的範囲の特定と集積の程度を評価する.このようにして解析した地域遍在性と技術内容の集積に関する結果とを比較し、産業クラスタ政策の結果、技術開発が促進されたか否かの評価・分析を行う。特に産業クラスタ政策での重点技術分野とその集積に着目した形で分析を行い、本手法の有効性を検証する。
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