2014 Fiscal Year Research-status Report
数式入力のインテリジェント化と数学eラーニングに関する研究
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26330413
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福井 哲夫 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70218890)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数式入力インタフェース / 知的学習支援システム / 数学eラーニング / 機械学習 / 理数系IT活用教育 / 自然言語処理 / 知的UI |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年4月~7月:文献調査や日本で開催された国際会議に参加し,数式入力のインテリジェント化に有用な基礎技術の情報を収集すると共に,提案インタフェースを組み込む土壌作りのために,シンプルな数学eラーニングシステムの開発およびテストを進めた.それにより,インテリジェント化には数式変換のアルゴリズムに,仮名漢字変換で使われている機械学習アルゴリズムが有効であることを見いだした. 平成26年8月~9月:数学公式練習ドリルをインターネットから利用できる数学eラーニングシステムが完成し,一つには武庫川女子大学附属中学校の生徒に実践したところ,提案システムが十分受容されていることをアンケート調査によって検証した.二つには行列の入力方法改善を試み,武庫川女子大学の学生に試用テストを実施し,従来方式と比べて入力効率が向上し,高い満足度が得られることを実証した.それらの成果を国際会議や研究会で発表した. 平成26年10月~12月:数式入力のインテリジェント化のためのデータ構造および機械学習アルゴリズムの設計に取り組むと共に,先に発表したこれまでの3件の成果を論文にまとめ,それぞれ投稿した.その内1件は掲載受理され学術雑誌「コンピュータ&エデュケーション」に掲載された. 平成27年1月~3月:設計した機械学習アルゴリズムの実装システムの開発に取り組み,テスト実験を実施した.その結果,数式変換の予測精度が約85%から93%と十分実用レベルに達した.この成果は平成27年6月に発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画である数式入力方式のインテリジェント化に最もシンプルな方法で成功している.採用した機械学習アルゴリズムはシンプルなものであっても,サンプル実験による評価によって,予測精度がベスト1候補で約85%,ベスト10まで含めると約93%と十分実用レベルに達しており,高度なアルゴリズムの採用によりさらなる発展が期待できる.これらの成果は平成27年6月の研究集会で発表の予定である.しかし,平成26年度後半に研究協力者である大学院生が博士論文執筆に取りかかり,指導が必要となったため,本研究のエフォートは若干低下し,上記の開発でインテリジェント化された数式入力方法のユーザビリティに関する被験者実験は若干遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
インテリジェント化された数式入力方法を組み入れたユーザインタフェースの開発およびそのユーザビリティに関する被験者実験は平成27年度前半に実施することとなった.平成27年度後半には,予定通りインテリジェント数式入力ユーザインタフェース(UI)を実装した数学文書エディタの開発,さらには数学文書エディタを実装した数学eラーニングシステムの開発に取り組むことができる.特に,数学eラーニングシステムへの実装設計については,平成26年度の研究成果によって準備はできており,順調に進められるものと考える.
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Causes of Carryover |
平成26年度後半に研究協力者である大学院生が博士論文執筆に取りかかり,指導が必要となったため,本研究のエフォートは若干低下し,上記の開発でインテリジェント化された数式入力方法のユーザビリティに関する被験者実験が若干遅れた.そのため,被験者協力への謝礼金相当額を次年度へ繰り越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画の内容に変更はない.研究小課題実施時期の修正により,インテリジェント化された数式入力インタフェースの開発・完成を平成27年度前半に実施し,この繰越金は被験者実験の準備が整い次第,被験者への謝礼として使用する予定である.
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Research Products
(7 results)