2015 Fiscal Year Research-status Report
地上型レーザスキャニングによる山地河川の河床地形計測手法の確立
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26340001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 直子 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (30647491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 友子 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (80376566)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地上型レーザスキャニング / 河床地形計測 / 山地河川 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に明らかにした、山地河道で効果的に河床地形の地上型レーザスキャニング(Terrestrial Laser Scanning; TLS)計測を行う方法について、2015年4月のEuropean Geoscience Union国際学会および5月の砂防学会研究発表会にて発表を行い、さらに、専門誌であるRiver Research and Applicationsに論文” Effective acquisition protocol of Terrestrial Laser Scanning for underwater topography in a steep mountain channel”を投稿し受理された。TLS計測によって得られたデータのノイズ除去方法について、海外で用いられている方法を取り入れてプログラムの改良を進め、日本の山地河川のデータに応用できるように検証を行い、概ね方法を確立した。次年度に2時期のデータを利用した河床変化量の推定を行うために、2015年6月と10月に岐阜県にてTLS計測を行った。検証用データとして、TLS計測と同時にGNSS計測や測量を含む現地調査を行った。昨年度に河道のカスケード部分では複雑な水面勾配の影響で水面下データの補正が難しいことを明らかにしたが、今年度に計測したデータを用いて、この水面勾配の影響を取り除く新たな処理を開発し、複雑な水面勾配が存在するところでも水面下データを補正できることを明らかにした。この内容については2016年7月のISPRS国際学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで不可能であった水面下の河床地形を詳細かつ定量的に計測することにおいて、TLSの利用可能性を見極めるためには、データの精度検証、効果的な取得方法の確立および得られたデータの利用・応用方法の提示が必要である。このうち、本年度は効果的な取得方法の確立を主に目的とし、レーザデータ計測2回、検証用データとしての現地調査、データ欠損個所の補完方法および得られたデータのノイズ除去方法の確立を実施計画に掲げたが、ノイズ除去方法の最終検証以外は、これまでに達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
ノイズ除去方法の最終検証を行い、これまでの結果と合わせて山地河道における包括的な河床地形データ取得方法を確立する。得られた河床地形データの山地河道における利用・応用方法の提示に向けて、2時期のデータを利用した河床変化量の推定を行う。高精度河床地形モデルの利用方法を検討するため、可能であればTLS計測を新たに行う予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会参加費用について学内支援経費に採択されたため本年度に計上する必要がなくなったことと、研究が順調に進み、河床地形モデルの応用方法を検討するに当たり、新たな対象地での計測データも加えることが有効であると考えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年7月に開催されるISPRS国際学会への参加費用と、河床地形モデルの応用方法を検討するためのTLS計測および現地調査費用に使用する。
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Research Products
(4 results)