2016 Fiscal Year Annual Research Report
The research on the chemical properties of the Lake Biwa sediment humic substances and material recycling between lake water and sediment
Project/Area Number |
26340004
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 泰朗 京都工芸繊維大学, 環境科学センター, 助教 (90303932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 悦 京都工芸繊維大学, 環境科学センター, 教授 (30159214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 琵琶湖 / 底質 / シミュレーション / Py-GC/MS / 物質循環 / 難分解性有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度に引き続き、底質コアのシミュレーション(培養)実験を継続して行った。2016年5月に採取した試料は、採取直後に堆積層別に分けたコアと、溶存酸素量0mg/Lで30日間培養したコア、60日間培養したコア、120日間培養したコアをそれぞれ堆積層別に分取し、底質内部の化学成分についても経時的に変化を評価した。その結果、直上水中のフルボ酸様蛍光物質濃度は、100日目程度まで上昇を続けてその後、一定となった。また、タンパク質様蛍光強度は、初期の値と比べて10%程度の増加しただけであり、これまでのシミュレーション実験の結果と同様であった。直上水中の溶存有機炭素量は、60日目付近で大きく増加しその後、初期値に戻るといったこれまでと異なる結果であった。30日目、60日目、120日目で底質コア中の間隙水を堆積層別に調査したところ、60日目で培養を停止したコアの内部で大きく溶存炭素量とタンパク質様蛍光強度が上昇していた。この現象は、直上水中において60日目付近で大きく溶存炭素量が上昇したことと一致し、底質コア内で60日目前後において微生物などが関与した何らかの化学変化が起こっていたことが示唆され、底質コア内での化学変化は採取したコアに含有する有機物や微生物の状態に依存することが考えられた。また、0日目、60日目、120日目で培養実験を停止した底質コアの堆積層別乾燥試料に含有する有機物の分析をPy-GC/MSを用いて行ったところ、60日目の底質コアの第2層、第3層において特にアミノ酸タンパク質起源の熱分解生成物が減少していることが確認され、底質に含有する有機物の消費機構について解析する手がかりを得た。
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