2015 Fiscal Year Research-status Report
アルミニウムー腐植複合体の微生物分解に対する安定性
Project/Area Number |
26340005
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳 由貴子 山口大学, 農学部, 助教 (20412819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腐植酸 / 生分解 / 複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,アルミニウムー腐植複合体の安定性を評価することを目的として,土壌から抽出した腐植酸の灰分除去処理の有無による微生物分解性を検討するものである。 平成27年度においては,昨年度調製した腐植酸試料(GS, MTM, SB;灰分除去処理なし:HF-, 灰分除去処理あり:HF+)を用いて高腐植酸分解菌による液体培養での腐植酸褪色試験を行った。その結果,GS腐植酸ではHF-試料に対してHF+試料で有意に高い褪色率を示したが,MTMおよびSB腐植酸では灰分除去処理の有無で明確な差異は認められなかった。 さらに,MTM試料を用いてパーライトを担体とした固相培地に粉末腐植酸を加えて高腐植酸分解菌を摂取し,0~6週間培養を行った。培養終了後,培養液中のフルボ酸ならびに腐植酸画分を回収しその吸光度を測定した。フルボ酸については培養0日目の吸光度に対する培養6週目の吸光度はHF-と比べてHF+の方がより低い値を示した。一方,腐植酸については0週~6週の間でHF+およびHF-の間に顕著な違いは認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画外であった高腐植分解性菌による固相培地での試験を取り入れたことから,土着微生物による試験の着手に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,土着微生物による分解性評価として液体培養ならびに固相培地による培養を行う。ただし,固相培地による培養では微生物の生育が非常に遅いことが考えられるため,その場合は当初計画していた腐植酸を唯一の炭素源とした培養の代わりに炭素源を添加して腐植組成の変化を検討することとする。
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