2014 Fiscal Year Research-status Report
衛星画像データを用いた熱帯泥炭地領域抽出手法の開発
Project/Area Number |
26340012
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
島田 沢彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90349811)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 熱帯泥炭地 / ハイパースペクトル / リモートセンシング / GIS / 中部カリマンタン / 泥炭地領域 / スペクトルメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで多くの泥炭地面積や蓄積炭素量の見積り値が報告されてきたが,現地において精度の高い泥炭地分布図を作成する試みは,そのアクセスの悪さから進んでいない.本研究においては,既存地図のような経験的手法のみでその区分課程が明らかにされない手法ではなく,衛星画像を用い,分類の根拠を明らかにできるような,泥炭地領域区分法を開発することを目的としている.本年度は泥炭地・非泥炭地それぞれを分離できる反射スペクトルの特徴を明らかにすることを目的に,スペクトルメータを用いた個葉レベルでのフィールド調査を行った.特に近年プランテーションとして広域な範囲に広がりつつある,アブラヤシの分光放射特性について明らかにするためにスペクトルメータを用い,多くのスペクトルサンプルを現地取得した. アブラヤシ葉と泥炭湿地林樹葉の分光反射測定の結果,アブラヤシ葉は樹齢が大きくなるにしたがって,緑色波長域の分光反射成分が小さくなることが示された.正規化差指数(NDSI)を算出しアブラヤシ葉と泥炭湿地林樹葉の特徴を比較した結果,波長域528-600nmと波長域452-515nm間のNDSIに違いが大きく表れた.この傾向はアブラヤシ樹齢が高い程顕著に現れ,樹齢7年アブラヤシでは泥炭湿地林樹葉よりもこの波長域ペアのNDSIは有意に小さい(P<0.05)値をとる事が明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SPOT6/7の毎月撮影の時系列画像をリクエストしていたが,雲の無いクリアな対象地域画像が2014年においては一度も入手できず,衛星画像取得予算の全てを次年度に繰り越すこととした.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度,対象地域においてSPOT6/7の画像リクエストをかけ続けていたにも関わらず,クリアな撮影画像が1枚も得られなかったことから,光学センサを用いての多時期画像の入手が困難であることが露呈した.次年度はALOS-2/PALSARなどの雲に影響を受けずに地表面撮影が可能なSAR画像との複合解析を視野に入れることとする.
|
Causes of Carryover |
SPOT6/7の毎月撮影の時系列画像をリクエストしていたが,雲の無いクリアな対象地域画像が2014年においては一度も入手できなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
光学センサを用いての多時期画像の入手が困難であることが露呈したのて,次年度はALOS-2/PALSARなどの雲に影響を受けずに地表面撮影が可能なSAR画像との複合解析を視野に入れることとしたい.このためSAR画像の解析ソフトウェアであるSARscapeの購入を予定している.
|