2014 Fiscal Year Research-status Report
フラボノイドの局在場所に着目した植物ゲノム防護機構に関する研究
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26340034
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
北村 智 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究員 (80370386)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植物が生産する二次代謝産物であるフラボノイドについて、その分子構造に起因する抗酸化能と、植物細胞内におけるフラボノイドの局在場所に着目して、植物体内におけるフラボノイドの新しい生理機能を見出そうとするものである。本年度は、植物体内で様々なフラボノイド分子種パターンを示す材料を使用するために、フラボノイドの合成・蓄積に関する遺伝資源が豊富なシロイヌナズナをモデルとして、全てのフラボノイドを生産・蓄積できるシロイヌナズナ野生型と、フラボノイドを全く生産・蓄積できない変異体、フラボノイドのうちのプロアントシアニジン(タンニン類)を生産・蓄積できない変異体、フラボノイドを液胞に蓄積できない変異体等、材料の選定と単離を進めた。これらの植物材料から粗抽出液を得、吸光度分析やHPLC分析によって各系統に蓄積しているフラボノイドを確認できた。これらのフラボノイドの植物体内機能を評価するために、フラボノイドの分子種やその局在場所に関係なく均一にストレスを付与できるガンマ線を照射し、種子発芽率あるいは照射後一定期間育成させた後の生存率を調査することで、その感受性を評価した。その結果、種子発芽率については各系統間で大きな差異は認められなかったのに対して、生存率については、フラボノイドやプロアントシアニジンを生産・蓄積できない変異体で有意に低下していることが判った。現在、上記のフラボノイド欠損タイプの変異体だけでなく、フラボノイド過剰生産タイプの変異体の利用も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤誘導性プロモーターを用いたモデル材料について、誘導が上手くかからず、その作製が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤誘導性プロモーターを用いたモデル材料の作製を引き続き進めるにあたり、コンストラクトが上手く誘導されない問題に遭遇しているため、異なる誘導コンストラクトの使用や、誘導する遺伝子の変更等を検討している。また、突然変異検出マーカーのモデル材料への導入を進め、感受性と突然変異の関連性を調査する。
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Causes of Carryover |
当初は分光蛍光光度計の購入を計画していたが、予算の減額に伴い、消耗品費を圧迫すると考え、本予算での購入は控えることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
蛍光強度の測定には、蛍光顕微鏡の画像解析を行うこととして、高感度対物レンズを購入した。残額については、消耗品や成果発表費に回すことを計画している。
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