2016 Fiscal Year Annual Research Report
Health effects assessment of PM 2.5 compound exposure including cross-border transporters by indicators of inflammation and genotoxicity
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26340053
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 圭子 久留米大学, 医学部, 講師 (50304514)
中尾 元幸 久留米大学, 医学部, 准教授 (60610566)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大気中粒子状物質 / 健康影響評価 / 炎症 / 遺伝毒性 / 越境輸送物質 / PM2.5 / 複合暴露 / 呼吸器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
国別および地域別冬期および夏期のPM2.5粒子発生量は、北京>承徳≧ウランバートル(モンゴル)>ソウル郊外>熊本≧新潟の順であった。冬期の承徳とウランバートルのPM2.5発生源は主に火力発電所などの石炭燃焼であった。PM2.5成分の複合曝露による遺伝毒性と非遺伝毒性の疾病との関連性については、冬季ウランバートル市でフィルター捕集を行ったPM2.5粒子のメタノール抽出液を用いて、Bhas42株で形質転換活性と、ヒト肺線維芽細胞(WI-38)でWST-1による細胞増殖試験、細胞増殖活性化をPCNAレベルで検討したが、遺伝毒性は認めなかった。WI-38細胞のゲノムDNAを用いたDNAメチル化状態の網羅的解析では、コントロールに対して有意に変化したDNAメチル化領域の中で近傍遺伝子のアノテーションがあるものについて検討した。その結果、コントロールに対して有意に変化し、遺伝子のDescriptionが判明したprotein-coding geneは135種類で、肺組織でその遺伝子産物が発現していると考えられるものの中で、メチル化状態の変化を認めたものは細胞分化や発生、炎症に係る遺伝子等であった。化石燃焼産物を含む複合PM2.5粒子のメタノール抽出成分には、肺線維芽細胞への直接的な遺伝毒性は認めなかった。PM2.5の健康影響では、熊本、新潟、山口、長崎の男女40歳以上の健常者と呼吸器疾患患者を対象として2010年から15年まで行った調査結果をGeneralized estimation equation法で解析した。年齢、性、喫煙、Body mass Index, 慢性閉塞性肺疾患レベル、気管支喘息、屋外滞在時間、空気清浄機、気温、湿度で調整後のPM2.5は、朝の痰、風邪以外の痰、アレルギー症状有症およびQOLのリスク因子であった。
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Research Products
(4 results)