2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of uptake of soil-binding elements by protozoans with symbiotic Chlorella
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26340072
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00187692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 知里 神戸大学, 環境保全推進センター, 助教 (60362761)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 除染 / 原生生物 / 油滴 / 細胞内共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画は、共生クロレラにセシウムが蓄積されていることを想定して策定された。しかし、これまでの研究により、セシウムはクロレラ内の油滴顆粒に蓄積された後に何らかの方法でミドリゾウリムシの細胞にある油滴顆粒に移行することがわかった。そこで、ミドリゾウリムシから油滴を単離し、SDS-PAGEによる解析を行ったところ、油滴に強く結合している約110 kDのタンパク質が見出された。このタンパク質バンドを切り出し、ミドリゾウリムシのRNA-Seq解析により得られたコンティグデータベースから推定されたタンパク質データベースをレファレンスデータとした質量分析を行ったところ、Mg2+トランスポーターファミリーCorA に類似したタンパク質であることがわかった。また、走電性を利用したミドリゾウリムシの分離・回収装置を試作し、80%以上の効率でミドリゾウリムシを土壌懸濁液から回収できることを確認した。さらに、この装置を使った実証試験を行った。用いた土壌サンプルは福島県から採取された放射性セシウム汚染土壌であり、これ用いてミドリゾウリムシのセシウム蓄積能を検証した。具体的には、一定量の土壌サンプルを懸濁させたものにあらかじめ培養したミドリゾウリムシを加え、一定期間後にミドリゾウリムシを回収し、その中に含まれる放射線量をガンマカウンターにより測定した。その結果、4日間の処理により、約50%の放射性セシウムがミドリゾウリムシにより土壌中から回収された。
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