2015 Fiscal Year Research-status Report
沙地修復を目的とした低木類の分布と土壌微環境因子の関係解明
Project/Area Number |
26340073
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
康 峪梅 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (70284429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 克年 高知大学, その他部局等, 副学長 (90192088)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国 / 内モンゴル / ホルチン沙地 / 低木 / 土壌 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国内モンゴル自治区ホルチン地域は本来草原が分布する気候であるが,人為の影響で草原が破壊され沙地面積が年々増えている。沙地化は主産業である牧畜業に壊滅的な打撃を与え,地域の生態環境を破壊している。本研究の目的は低木類優良牧草アルファルファの栽培を行い,沙地修復の可能性を検討することである。 本研究では内モンゴル自治区通遼市モリビョウ村南の農地でアルファルファの栽培試験を行った。2015年6月中旬に3.3 haの放棄地に種(現地品種:Aohan)35 kgを深さ2 cmに直播した。試験地を16区画に分け,アルファルファの植被率,草丈を調査した。また,アルファルファ栽培前(2014年8月)に一区画につき5地点から0-15 cmの土壌試料を採取し,理化学性を測定した。 アルファルファの植被率(草丈)は10-70%(26.2 - 50.8 cm)で,区画1,5,9で特に生育良好で(55 - 70%,41.5 - 50.8 cm),区画8,12,16で生育不良(10 - 30%,26.2 - 31.4 cm)であった。土壌は試験地左側に位置する区画1,2,5,9,13でEC,含水率,TC,TN,粘土,シルト,有効態リン酸,交換性Ca,交換性Mg,交換性K,CEC,塩基飽和度が高く,試験地右側の区画8,12,16で低かった。これは試験地の左側が右側より4m位低いので,粘土,シルトや養分が流入したためと考えられる。植被率は土壌の含水率,TC,TN,粘土,シルト,CEC,有効態リン酸,交換性Ca,交換性Mgのいずれとも正の相関(r=0.58~0.76,ρ≧0.05)を示し,アルファルファの生育が土壌の養分保持能や養水分含量と密接に関係していることがわかった。以上の結果から,アルファルファは塩分含量(塩基飽和度:132~723%)の高い沙地でも栽培できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたアルファルファの栽培試験は成功し、生育調査や試料の分析も計画通りに行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
アルファルファは多年生低木であるので、今年は引き続き生育調査及び試料分析を行い、2年目の生育状況を明らかにする。
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Causes of Carryover |
栽培地土壌試料の分析項目で再分析が必要なものが残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度その分析を行う計画である。
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Research Products
(1 results)