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2015 Fiscal Year Research-status Report

未利用ゴム資源の活用をめざした植物培養細胞中での高機能ゴム分子生産

Research Project

Project/Area Number 26340074
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

大谷 典正  山形大学, 理学部, 准教授 (40302286)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsバイオマス / 未利用植物資源 / 天然ゴム / カルス
Outline of Annual Research Achievements

持続可能な社会の構築に向けた取り組みから、ゴム産業においても化石燃料由来の合成ゴムから植物由来の天然ゴムへと原材料がシフトしつつある。しかし、世界で消費される総ゴム量の半分近くをパラゴムノキにたよっているため、国内におけるゴム資源の開発が求められている。そのため未利用天然ゴム資源として雑草が生産するゴムは、将来のエネルギー資源として注目されている。成長の早い雑草での天然ゴム生産の可能性が見出されれば、未利用バイオマス資源から貴重な天然資源への転換が望める。
セイタカアワダチソウが生産している低分子ゴムの詳細な分子構造は解析されており、イソペンテニル二リン酸 (IPP) がトランス型に3個結合したファルネシル二リン酸 (FPP)、4個結合したゲラニルゲラニル二リン酸 (GGPP) を開始プライマーとして、その後にIPPがシス型に縮合した構造をとっている。
本研究では、ゴム生合成機構の解明を目指し、天然ゴム合成系を確立することを目的としている。現在までに、長鎖長生成物 (天然ゴム) の生合成系に必須とされる、セイタカアワダチソウ由来シスプレニルトランスフェラーゼ、そしてゴムの開始末端であるFPP、GGPPを合成するFPP合成酵素、GGPP合成酵素、またIPPの異性化酵素であるIPPイソメラーゼの全長cDNAクローニングに成功して、タンパク質の大量発現を行い、放射性ラベルされたモノマーを用いて各種酵素の機能解析を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度までに、培養細胞中での高分子ゴムを生産させるための種々培養条件等についてほぼ予定通りに進行している。本年度は、これらゴム分子を合成する複雑な酵素反応についての情報を得るために、個々の酵素についてクローニング、機能解析を行った。モノマーや開始基質合成に関与する酵素5種類については、in vitro活性を確認し最適な反応条件等を見出した。一方でcis型の縮重合を触媒するシスプレニルトランスフェラーゼ(CPT)は、これまでにも多くの植物で機能解析が試みられてきたがin vitroでのゴム重合までは至らず、本研究で用いたセイタカアワダチソウ由来CPTも期待される反応生成物は獲得できていない。そこで、当初の計画通りに、天然ゴムの主構造と類似性が見られるウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)に着目し、UPSのイソプレン分子鎖長決定メカニズムを解析するために、酵素への点変異導入を行った。またSWISS-MODELにより変異体UPSの酵素モデルを作成し、GOLDを用いて酵素モデルと基質モデルとのドッキングシミュレーションを行った。様々な由来のUPSを用いた三次元アライメントを行ったところ、trans型酵素のDDXXDモチーフの役割を担うと考えられるアミノ酸部位のD29や、FPPのリン酸基付近に存在するH46、IPPのリン酸基付近に存在するH203に性質を変化させたアミノ酸を導入した酵素を作成し酵素活性を行った結果、天然酵素に比べ活性はほとんど見られなかった。このことから、D29は金属イオンの補足、H46はFPPのリン酸基の部位固定及び安定化、H203はIPPのリン酸基の部位固定及び安定化に関与しており、それぞれのアミノ酸の性質がUPS反応において重要である事を見出した。

Strategy for Future Research Activity

今年度までに獲得してきたカルスでの有用ゴム分子各種培養条件、並びに有用遺伝子を導入した変異型カルス細胞におけるゴム分子関連化合物の物質動態変化を網羅的に解析することで、ゴム分子生合成のカギを握る化合物を見出していく。また、産業化を視野に入れ効率的に安価に未利用炭素資源を獲得できるよう、バイオマス資源として利用されにくいC5糖でもゴム分子を生産できる系も見出していく。

Causes of Carryover

培養実験施設の不具合により関連実験を先送りとしたため、必要消耗品、機器、人件費が未消化である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の実験計画では、実験施設が利用可能となったことから、予定通りに消耗品、機器購入、人件費を使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Specificity of geranylgeranyl diphosphate synthase for homoallylic substrate analogs2015

    • Author(s)
      Norimasa Ohya, Takumi Ichijo, Hana Sato, Takeshi Nakamura, Saki Yokota, Hiroshi Sagami, Masahiko Nagaki
    • Journal Title

      Journal of Molecular Catalysis B: Enzymatic

      Volume: 120 Pages: 179-182

    • DOI

      10.1016/j.molcatb.2015.07.006

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2017-01-06  

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