2014 Fiscal Year Research-status Report
アルミドロス由来多孔性リン酸アルミニウムの水蒸気吸着剤への適用
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26340080
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村山 憲弘 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90340653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝田 隼次 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70067742)
林 順一 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (60247898)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 吸着剤 / 水蒸気 / アルミドロス / 水熱合成 / デシカント |
Outline of Annual Research Achievements |
発生履歴の異なるいくつかのアルミドロスを出発原料に用いて、多孔性リン酸アルミニウム(AlPO4-n)の水熱合成を行った。原料物質の調製比、構造規定剤(有機アミン)の種類、水熱合成の処理時間、合成温度、撹拌条件などを変化させて、結晶構造の異なる様々なAlPO4-nを生成させるための最適条件について検討を行った。特に、構造規定剤の種類や量を変えた水熱合成実験に注力して検討を行ったところ、例えば、AlPO4-5、AlPO4-11、AlPO4-34、VPI-5などが合成できることを確認した。文献等で報告されている試薬からのAlPO4-n合成条件と比較すると、アルミドロスからのAlPO4-n合成条件は若干異なることがわかった。アルミドロスに含まれるアルミニウムの一部がAlPO4-n骨格に転換されないためにこのような相違が見られたと考えられる。アルミドロスから合成したAlPO4-nの比表面積、表面構造、粒度分布、結晶構造等の評価を行った。試薬由来のAlPO4-nには劣るものの、吸着剤として利用できる可能性が示された。得られたAlPO4-nの表面特性や細孔構造を調べるために、空気中の希薄な有機化合物(初期濃度100ppm、ベンゼン、トルエン、メタノール、アミン類など)のガス吸着試験を行った。吸気化合物の吸着特性はAlPO4-nの細孔径と関連があること、極性をもつ分子ほどAlPO4-nに吸着されやすいことを明らかにした。一方、得られたAlPO4-nを用いて水蒸気の吸着特性を調べた。本研究で検討している水蒸気吸着特性としては、AlPO4-5が他のAlPO4-nよりも適していることが明らかになった。アルミドロス由来AlPO4-nに関する基礎的な知見が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した今年度の検討項目について、ほぼ予定通りの研究成果が得られたと自己評価している。特に、アルミドロスからのAlPO4-nの水熱合成に関しては数多くの実験結果が得られた。生成物の物性におよぼす水熱反応条件の影響について明らかにすることができ、次年度の研究に繋がる知見が得られたと考えている。生成物の水蒸気吸着特性についても基礎的な実験データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には交付申請書に記載の通りに研究展開を行う予定である。これまでの知見を活かしながら、水熱反応条件の適切な設定によって生成物の物性を制御する方法を見出したいと考えている。特に、AlPO4-nに転換されない部分を被覆する技術を確立するために、数多くの実験によって検証を行うことを計画している。引き続き、生成物の水蒸気吸着特性の実験データを蓄積しながら、水蒸気吸着剤としての実用化を意図した工学的検討を加える予定である。
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