2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝情報に基づいた侵略的外来種ソウシチョウの駆除管理ユニットの策定
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26340096
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
天野 一葉(桝永一葉) 滋賀県立琵琶湖博物館, 特別研究員 (50526316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 靖幸 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, チーム長 (80353580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外来鳥類 / 保全生態学 / 集団遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分布拡大外来種のモデル動物として、ソウシチョウの効果的な管理計画作成のために、ソウシチョウのマイクロサテライトDNAマーカーを開発し、マイクロサテライトDNA解析およびミトコンドリアDNA調節領域の塩基配列から、国内におけるソウシチョウ集団の遺伝的構造と分布拡大パターンを明らかにする。さらにソウシチョウの駆除管理ユニットを策定して、分布拡大期にある外来種の効果的な管理計画作成に貢献する。 侵略的外来種の駆除管理は、地域固有の生態系と生物多様性の保全に必要不可欠である。ソウシチョウは、多くの外来鳥類と異なって自然度の高い森林に定着し、さらに広域に分布が拡大しており、在来鳥類群集への影響が危惧されている。外来種を根絶しようとするとき、増加率と隣接地域からの個体の再移入率の合計は、駆除率より小さくなっていなければならないが、本研究では、駆除管理ユニット策定の過程で、遺伝情報に基づいて集団間の個体の移動率を推定するため、再移入率が低い地域を特定できる。また、定着集団の二次的接触によって遺伝的多様性が高くなっている地域も特定でき、これらを重点管理地域として提案できる。本研究の方法は、広域に分布を拡大させた他の外来鳥類の管理計画策定にも応用できる。 本年度は、九州、四国、東海の各地方において、繁殖期(5~9月)にソウシチョウをかすみ網で捕獲し、外部形態の計測、血液サンプルを採取した。また近畿地方にてソウシチョウの捕獲可能な地域について事前調査を行った。またマイクロサテライトDNAマーカーを開発するために、野外調査にて得られた国内の血液サンプルからDNAを抽出して、ゲノムドラフト解析を行い、多数の繰り返し配列を含む断片を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東海、四国、九州地方での野外調査により、ソウシチョウの野生個体の血液サンプルは順調に収集されている。またゲノムドラフト解析にて、マイクロサテライトを含む多数の塩基配列情報を入手できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
中国、関東地方などでのソウシチョウの野生個体の血液サンプルの収集を継続する。マイクロサテライト解析を進める。シカによる環境改変によりソウシチョウが少なくなっているところもあるが、まだ好む生息環境が残っている場所で野外調査を進める。
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Research Products
(2 results)