2015 Fiscal Year Research-status Report
東南アジアで環境低負荷農業を展開するためのバイオ炭を利用した土壌管理技術の創成
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26340099
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 治夫 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20236615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 洋征 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70323756)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオ炭 / 土壌 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も、現地カンボジアへ赴き、研究圃場に適した水田の探索を行った。しかしながら、バイオ炭施用に適切な研究圃場を見いだすことはできていない。そのため、バイオ炭の施用は行っていないが、環境保全型農法を行っている水田および畑地を試験圃場として研究を行うこととした。水田の調査圃場の探索についてはベトナム国も含め、継続して行うこととした。一方、昨年同様に、カンボジアの畑土壌で、バイオ炭の施用試験を継続した。さらに国内でもバイオ炭施用試験を行った。 耕耘や輪作、作付け体型が異なるカンボジア水田圃場において、耕耘・輪作・作付け体型、すべてにおいて、土壌有機炭素増加に効果が認められ、環境保全型農法の効果が認められた。 また、カバークロップや不耕起を用いた環境保全型農法を行っているカンボジア国のダイズ圃場の調査を行った。その結果、土壌有機炭素量の増加と、それに伴う陽イオン交換容量や土壌酵素活性の増加が確認され、土壌劣化の防止に効果があることが考えられた。 さらに、カンボジアの砂質土壌で、畑地雑草である Chromolaena odarata と稲籾殻をバイオ炭として施用して、トマトの栽培試験を行った。 その結果、カンボジア土壌ではChromolaena odarata+堆肥施用により顕著な収量増加や可給態リン酸の増加などが認められた。 また国内の黒ボク土壌でも、バイオ炭であるくん炭の施用試験を行った。その結果、くん炭の施用によって、交換性カリウム量、全炭素量、ホスホモノエステラーゼ活性、β‐グルコシダーゼ活性、作物収量が増加したが、多量施用(11.0 Mg/ha)の効果は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも示したように、今年度も調査に適した水田圃場の選定ができていない。探索については継続して行うこととした。 研究の中心を水田に限ることなく、畑状態での調査も行い、広範囲における土壌管理技術の創成を目指すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
水田圃場の探索、水田での調査を継続して行う。畑状態でのバイオ炭の施用効果も明らかにすることとした。
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Causes of Carryover |
予定していた渡航を作物の生育状況により1回キャンセルした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に渡航する予定である。
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