2015 Fiscal Year Research-status Report
再生可能エネルギー普及のための蓄電システムの導入・利用形態とその社会経済的影響
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26340113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 直也 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30323819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蓄電システム / 再生可能エネルギー / 持続的維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー(Renewable Energy Sources:以下RES)の普及や電力システム改革の実施に伴い、系統安定化や分散型システム等、電力市場を取り巻く様々な課題が顕在化してきている。蓄電システムはこれらの課題を解決するための潜在力を有しており、開発・実証試験が実施されている。しかしながら、蓄電システム導入には高額な初期費用に加え便益、リスクの存在、それを踏まえた維持管理政策の在り方等が依然不明瞭となっている。本研究は蓄電システムが系統・地域・家庭に導入される際の社会経済的影響を定量的に分析・評価するとともに、シナリオプランニング手法により蓄電システムを取り巻く不確実な諸条件を考慮に入れることで、望ましい蓄電システムの導入方策を検討・提案することを目的としている。本年度は、今後の家庭レベルにおける蓄電システムの普及シナリオを考える上で重要な役割を果たすと思われる、「動く蓄電池」という側面をもつEV(電気自動車)に着目し、その普及・阻害要因を検討する調査を行った。特に今後、家庭レベルにおける蓄電池として大きな役割を果たす可能性のあるEVの普及を政策的に支援する際、総論的にその普及を進めるのではなく、その普及に整合した地域の特徴に配慮した施策の重要性を想定し、政策的に可変が困難な要因(地形(傾斜)および気温)に着目して検討を行った。調査・分析結果については、環境情報科学論文集において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蓄電システムの実際の利用者に対する調査を準備中であるが、そのための各方面との調整に想定以上の時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究課題の最終年度を迎える2016年度に、現在遅れている調査実施を確実に行い、その結果を社会経済的観点より分析を行う。その上で、当初の予定通り、シナリオプランニングの実施による、蓄電システムを伴う持続可能なエネルギー利用のための方策と、蓄電システムが普及した社会の将来像の提案を行う。
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Causes of Carryover |
蓄電システムの実際の利用者に対する調査を準備・設計し、そのための予算を計上していたが、関係各位との調整などに予想以上に時間を要し、当該調査の実施が次年度にずれこんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
蓄電システムの利用者に対する調査の実施目処は付いており、そのために適切に支出する。
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Research Products
(1 results)