• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

中国環境訴訟における受理プロセスの実態と環境被害者救済の課題

Research Project

Project/Area Number 26340118
Research InstitutionKobe City University of Foreign Studies

Principal Investigator

櫻井 次郎  神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40362222)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords環境訴訟 / 環境法 / 環境政策 / 中国 / 環境問題
Outline of Annual Research Achievements

2016年8月に中国で環境被害者救済のための法律支援を20年以上続けている中国政法大学の王燦発教授を日本に招き、中国の環境訴訟の現状と公益訴訟の新たな試みについて、東京大学および大阪弁護士会館にて王教授の基調講演と質疑応答によって構成されるワークショップを開催した。
同年10月には、日本現代中国学会全国大会(慶応大学藤沢キャンパス)の「環境政策における市民参加とガバナンス」と題する分科会(座長、北川秀樹・龍谷大学教授)にて「環境訴訟を通じた参加への期待とその限界」というタイトルで、特に受理プロセスに生じている問題を中心とした研究報告を行った。同分科会では、中国における環境ガバナンスの現状とその分析方法について、それぞれ中国政治、環境NGO、環境政策を専門とする研究者と議論し、認識を深め、情報交換を行った。
2017年3月には、中国湖北省荊州市石首にある「湖北楚源集団株式有限公司」において現地調査を実施した。同公司は度重なる排水基準違反によって2016年7月に操業停止処分になった後、施設改善によって2016年12月に生産復帰を果たしたばかりの化学工業企業である。
また、これまでの研究成果について、特に福建での訴訟事例を検討した論文"Environmental Litigation and External Influence from Outside the Court in the PRC: A Case Study of Zhang Changjian et al. v. Rongping Chemical Plant"が、Springerより刊行された書籍"Environmental Policy and Governance in China"edited by Hideki Kitagawaにて公表された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

中国における環境訴訟の現状、特に受理プロセスで発生している問題について、中文、和文、英文で発表されている文献リサーチはすでに現在把握できる範囲で行った。また、中国の環境法を専門とし、特に環境訴訟についてよく調べている研究者へのヒアリング、ワークショップなどを通じた最新情報の収集も進んでおり、これまでに収集できた資料をもとにした学会発表を本年10月に行った。これらの研究成果をもとにした論文執筆も進んでいる。
研究計画において書かれていた裁判所へのヒアリングについてのみ、現地の政治的理由により保留状態が続いているが、これについて環境訴訟に実際に携わっている専門家やNGOへのヒアリングによって補うよう努めている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度には、研究成果を論文で発表すると同時に、今回の研究成果を中国語で中国の専門家にフィードバックし、中国において環境被害者救済を中心とした研究の発展を促すことにより、このテーマに関する日中共同研究の質を高められるよう努めたい。これによって、中国の環境公害の現場で起こっている問題に就いてさらに緻密な分析が可能になると期待される。
また、1.中国の環境公害の現地で活動している研究者やNGOを日本に呼んでワークショップを開催し、2.北京と上海で開かれる会議に参加して中国の専門家やNGOから最新の情報を得て、3.環境公害が発生している地域での現地調査を実施する、ことを予定している。これらを通じて、中国の環境公害の現場で起こっているさまざまな活動や努力についてより正確な把握に心がけ、環境法、政策研究の発展に貢献したいと考えている。

Causes of Carryover

前年度未使用額が残っていたため。前年度に予定していた裁判所に対するヒアリング調査が保留になっていた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

裁判所に対するヒアリング調査は、環境訴訟を専門とする研究者や現地で活動するNGO、弁護士などへのヒアリングによって補う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 環境訴訟を通じた参加への期待とその限界2016

    • Author(s)
      櫻井次郎
    • Organizer
      日本現代中国学会全国大会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学藤沢キャンパス(神奈川県)
    • Year and Date
      2016-10-30

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi