2017 Fiscal Year Annual Research Report
Picture Book Development for Visually Impaired Children and Creativity Development by Handmade Picture Book
Project/Area Number |
26350001
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
和田 直人 日本女子大学, 家政学部, 教授 (70240554)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視覚障がい児童 / ユニバーサルデザイン絵本 / インタフェース / 手作り絵本 / 脳力開発 / 手先の巧緻性教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は本事業の4年目にあたり、これまでの調査・研究データを基に研究成果の取り纏めを行った。これまでに得られた知見と検証結果から材料や素材をさらに吟味して、絵本における触覚的要素をさらに洗練させて絵本を開発した。また、昨年度と同様に視覚障がい者だけでなく、多くの人々が楽しめるインタラクティブな双方向芸術や対話型芸術の要素を加えた展示を行うため、特殊光を用いた立体作品と組み合わせる試みを行った。制作した絵本と立体作品は、全国美術公募展覧会『第67回モダンアート展』に「蜃気楼(Blind picture books No.2)」として出品し、多数の美術愛好者や一般の方々から好評を得た。出品作品は、4月に東京都美術館、7月に奈良県文化会館にて展示し、首都圏ばかりでなく地方都市でも研究成果を公表することができた。 手作り絵本の脳力開発であるが、手作り絵本に関係する多方面の方々に執筆をお願いして編集を進めてきた『手作り絵本SMILE』を10月に刊行した。本書の中で手作り絵本を作る喜びと手作り絵本を作るという行為の先に見えてくるさまざまな可能性について紹介することができた。それは、多くの教育的効果や手作り絵本が繋げるコミニュケーションの広がりや社会的弱者に寄り添う手作り絵本の存在など多様な世界であった。本書が、手作り絵本の脳力開発に関して様々な方々が議論するための里程標を担う1冊の本になったと確信している。 5月開催の第20回絵本学会大会では、大会テーマ「絵本と絵本学の今、そして未来へ」として、ラウンドテーブル「絵本の創作 その現在と未来」が企画され、そのコーディネーターとして、ベテラン絵本作家と新人絵本作家から創作活動の考え方の相違点や同意点などを導き出すことができた。また、12月には絵本学会フォーラム「ブルーノ・ムナーリ 絵本と美術教育」を企画することができた。
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Research Products
(6 results)