2018 Fiscal Year Annual Research Report
Design for the diversity - foreigners' adaptation process to the living environment in Japan
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26350005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 あるの 京都大学, 理学研究科, 講師 (20467442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克彦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (10115983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中国人 / 集合住宅 / 和室 / 日本家屋 / 不動産取引 / 床坐 / 社会 / 欧米人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国人との持続可能な多文化共生のコミュニティの形成を視野に入れ、外国人の日本の住環境への異文化適応のプロセスを検証するものである。そのため、集合住宅という現代的ではあるが文化的差異が表れやすい居住環境と、日本の伝統家屋の両方について、その使用実態と認識について調べてきた。 今年度はまず、日本の集合住宅の売買や賃貸の動向を、インターネットから集めた体験記を分析することによって明らかにし、また外国向けに発信されている日本の不動産情報サイトを分析した内容とともに、2018年度日本マンション学会研究大会にて発表した。 日本人の日本家屋に対する意識調査も行い、その結果は2018年度日本民俗建築学会研究大会において発表するとともに、2018年度日本建築学会大会のパネルディスカッション資料にも掲載した。 日本在住外国人の中で大多数を占める中国人の生活実態に的を絞った調査では、日中の集合住宅における法律と管理制度の比較、日本に住んでいる中国人のヒアリング調査を通して、両国の制度や習慣の違いだけでなく、差別意識によるコミュニティからの隔離が起こっており、日本の生活習慣に適応する機会すら得られていない実態が明らかにされた。この結果は、分担研究者が2019年度の日本建築学会近畿支部研究会にて発表する。 日本に長年住んでいる外国人の日本家屋に対する意識や生活習慣適応の実態については、聞き取りとインターネット調査を元にした定性分析として、2019年度の日本民俗建築学会の研究大会にて発表する。 これらを総合した結果、日本人と日本在住外国人の間に日本家屋に関する知識や嗜好の差異は認められないこと、同じ外国人の間でも、中国人と欧米人では、日本人側からの対応や近隣住民との交流の程度が大きく異なること、そのために居住環境への適応プロセスも全く異質な経過をたどっていることがわかった。
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