2014 Fiscal Year Research-status Report
観光立国日本のためのネットワーク型サインデザインシステムの構築
Project/Area Number |
26350011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20243975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50437745)
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (00635047)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境デザイン / パブリックデザイン / サインデザイン / サインシステム / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、わが国に高質な観光価値を有した地域(エリア)を相互に連携させ、観光関連産業の拡大と、それに伴う地域活性化に効果をもたらす一助として、これまで駅や公共施設、道路など運営管理上個別に計画整備されてきたサインデザインシステムを、国内外観光者・生活者・行政・観光業者などの視点を横断的に取り入れ、交通や観光、商業・公共施設から街区、地区、エリアにネットワークする、観光立国・日本のための、わかりやすく安心・安全で魅力的なおもてなしのためのネットワーク型サインデザインシステムの構築を行うことを目的とする。 平成26年度は、各地域で個別に計画整備されているサインシステムのネットワーク化の可能性を探るために、国内外の観光者、生活者、行政など認識のズレを可視化するクオリティカルテを用いたサインデザインシステム評価手法を確立させ、ネットワーク型サインデザインシステムの構築のための問題点と解決すべき課題を抽出した。 平成26年度の研究プロセスは、現在整備されている代表的なサインデザインシステムの実態調査(第1段階)を行い、サインデザインに関する各種資料から評価項目を抽出し、サインデザインシステム評価カルテの作成を行った。また、各種資料により国内外観光客が多い観光地の調査等などからエリア別対象地をピックアップし、評価実験対象地の選定資料を作成した。特に、研究者らが所属する九州大学が位置する福岡市は、北部九州エリアの中核都市であることから都市サインシステム並びに最近整備された「サザエさん通りサインシステム」との関連性などを詳細に調査分析した。「サザエさん通りサインシステム」に関しては、平成27年度春季に開催予定の国内外の学会において報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究の目的」のための「研究計画」における平成26年度計画の各項目に則して調査等が実施できた。特に、福岡市での「サザエさん取り」サインシステムの実践的取り組みは、当初の予定よりも充実した内容が達成できた。しかし、「サザエさん通り」サインシステムの成果のまとめが加わったため、作成したサインデザインシステム評価カルテを用いた評価実験は、次年度に行うこととなった。以上のことから自己と評価としては、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は、平成26年度に実施できなかった評価実験を行い、抽出したネットワーク型サインデザインシステムの構築のための問題点と解決すべき課題を導出し、モデルエリアにおけるネットワーク型サインデザインシステム提案を行う。さらに、提案に基づいた具体的なケーススタディを通して、クオリティカルテ評価・診断手法を用いた評価実験による検証を行い、実用的なネットワーク型サインデザインシステムを構築する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた研究計画では、福岡市の「サザエさん通り」サインシステムの調査分析にかける時間等の予測が実態と違ったため、その研究作業に多くの時間が取られた。そのため、当初予定していたサインデザインシステム評価カルテを用いた、選定エリア別の評価実験が実施できなかったため、その実験に必要とされる旅費と実験結果の分析にかかる人件費等の支出がなかったため、次年度使用額が「0」より大きな額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額に関しては、サインデザインシステム評価カルテを用いた、選定エリア別の評価実験のための旅費と実験結果の分析にかかる人件費等にあてることを使用計画とする。
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Research Products
(2 results)