2014 Fiscal Year Research-status Report
積雪寒冷地における住宅地の雪処理に配慮した住戸設計システムの開発
Project/Area Number |
26350014
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
湯川 崇 札幌市立大学, デザイン学部, その他 (60624690)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 住宅地計画 / 建築計画 / 雪堆積形成 / 吹きだまり / 空中写真撮影 / サーモカメラ / 積雪寒冷地 / 設計手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでの研究データから「雪処理に配慮した住戸の設計手法」を確立しているが,この手法には積雪深の増減値(吹きだまり,吹き払い,日射や住戸からの放熱による融雪等)の要因が不足している。そこで本研究ではこれまで構築した設計手法の実用化を計るために,「サーモカメラ」と「積雪深測定装置」,「画像処理ソフト」を併用し,敷地内における積雪深を数量的に捉え,雪対策に配慮した新たな設計手法の構築を各自治体および一般住民へ提供することが目的である。 平成26年度はこれまで申請者が空中写真撮影で捉えた写真画像を光沢量調整によって上空から住戸周辺の雪堆積形成を表現し住戸周辺の雪堆積形成画像の明確化を実施した。その結果、目視判別では難しい部分(「吹きだまり箇所」,「屋根から滑落した雪」,「居住者が排雪によって積み上げた雪山」,「吹き払い箇所」,「日射による融雪」)がより詳細な箇所まで判別可能となり、新たな空中写真撮影画像の分析方法を確立できた。また,サーモカメラによる住戸壁面および屋根側面の温度調査を行った結果、南向き住戸と北向き住戸の壁面温度差はおよそ30度差が生じていたが,この壁面温度が直接関係し住戸周辺の雪堆積形成が減少していないことが明らかとなった。屋根上(一部)の温度調査では,屋根の向きによって日射により雪が減少しその雪が落雪することで住戸周辺の雪堆積形成に影響を与えていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象時期が冬期間(12月頃から翌3月末)のためデータ収集が年度末になる。よって,現時点においては大まかなデータ分析のみできている。詳細なデータ解析はこれからとなるが,現在においてはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で住戸配置や住戸形態,雪堆積状況等から雪処理問題が発生する住戸街区を4つ選定している。今年度はこの4街区を対象にサーモカメラを搭載したマルチコプターによって空撮を実施し、住戸屋根上の温度調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は写真画像を光沢量調整を中心とした分析を行い、日影ソフトを用いた研究に至らなかったため、日影ソフトの購入を次年度に見送ったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は昨年度見送った研究である日影部分の調査を行うため日影ソフトを購入する予定である。
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Research Products
(3 results)