2015 Fiscal Year Research-status Report
積雪寒冷地における住宅地の雪処理に配慮した住戸設計システムの開発
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26350014
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
湯川 崇 札幌市立大学, デザイン学部, その他 (60624690)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 雪堆積形成 / 空中写真撮影 / 画像処理 / サーモカメラ / 新興住宅地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「①これまでの研究で冬期間に捉えた空中からの新興住宅地の画像処理」と「②空中写真撮影用のサーモカメラの検討」を実施している。具体的な内容は以下の通りである。 ①に関しては、画像処理ソフトを用いて色で明確化することに成功し、これまで不鮮明だった部分の雪堆積形成部分の面積算出も可能となった(面積に関しては今年度に算出する予定である)。分析結果としては、住宅地全体では風上側の住宅地街区より風下の住宅地街区に雪堆積が増加していることが明らかとなり、街区内でも同様に風上側の住戸周辺より、風下側の住戸周辺に雪が堆積されやすい傾向にあることが明らかとなった。 ②に関しては、サーモカメラメーカーと度重なる打ち合わせを行い、今年度の研究(住戸から発生している熱と住戸周辺に堆積する雪の関係についての分析)で使用する空中写真撮影用小型サーモカメラの機種を選定した。この小型サーモカメラはこれまでのハンドタイプサーモカメラに比べ、軽量かつ取り付け部分がデジタルカメラと同様になり、空中写真撮影に負荷がかからないと判断し今年度の研究で用いる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は社会的問題となった「ドローン問題」で空中写真撮影の法が規制され、サーモカメラを導入した空中写真撮影の研究を見送る結果になりやや遅れていると判断する(現在は改善され今年度は撮影実施に問題ない)。その代り、これまでの空中写真撮影で捉えた雪堆積形成画像を照度処理ソフトによってより鮮明し、これまで判断が難しい部分に関して分析を進たため、本研究の進捗状況に関してはやや遅れているものの、本研究の計画上には問題ないと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度検討した空中写真撮影用(マルチコプター用)のサーモカメラを用いて、冬期間の空中写真撮影を行う。具体的な内容としては、各住戸から発生している屋根部分の熱を観測し、屋根から落雪する雪と住戸周辺で発生する雪堆積形成の関係を明らかにする。また、最終年度となる今年度は、これまでの雪堆積形成画像データと本研究で分析した結果を照らし合わせ、戸建住戸の雪処理に配慮した設計システムを構築を進める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は空中写真撮影を見送り画像処理に謝金を使用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の空中写真撮影で調整する予定である。
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