2016 Fiscal Year Annual Research Report
Color and Musical Sense integration: Cerebral Science of Brain Science and Visual Look Design
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26350016
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
浅井 信吉 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (80325969)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報デザイン / 感性デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
ディズニー映画「ファンタジア」は、最も共感覚的といわれ、手塚治虫、松本零士ら日本の多くのアニメータに影響を与えた[松本零士, 2004]。「ファンタジア」を科学的に統計検定したところ、共感覚色的であった。(36名の共感覚者色彩データと映像色彩を分散検定にかけるとp<0.05で帰無仮説は棄却[Dongsheng Cai et al., 2014])また、アニメの色調は音楽の調性とストーリ展開に合わせて感覚統合的に「転調」していることを分散分析検定により確認した。さらに,同様の検定をのアニメ「千と千尋の神隠し」でも行った。冒頭の花束のピンクは挿入曲「あの夏へ」のイ短調に対して,イ長調で共感覚者が感じる共感覚色が使われていた。色彩と曲で、クロスモーダルに同主調(同じ短調・長調)の転調関係でビジュアルデザインされていた。調性格と呼ばれる音楽理論では、楽曲のストーリ性・イメージは転調により決まる[Lendvai, 1993; Mark, 1986; Steblin, 2002]。「千と千尋」では、挿入曲は時間が短く、「ファンタジア」のように転調しきれない。そのため,クロスモーダルに“音楽―色彩”の同主調関係で音楽の“転調”関係を作り感情を作っている.イ長調からイ短調への転調は,音楽理論で「追憶・ノスタルジー」を表し,メインテーマは主人公千尋と白龍の邂逅・過去(追憶)を強く示唆し、サウンド・ビジュアルにストーリの導入に成功している。日本のアニメータが感性でクロスモダリティを駆使している例であり、本研究では、このクロスモダリティデザインを、科学的、統計的に検証して、その法則性を明らかにした。
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