2016 Fiscal Year Research-status Report
タイ国における産業デザイン人材の育成プログラム構築研究
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26350017
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
黒川 基裕 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30363774)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 産業デザイン / 商品企画 / 製品開発 / 東南アジア / タイ国 / クリエイティブ産業 / クールジャパン / ローカライズ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の3年目にあたる本年度は、クリエイティブ産業に適応可能な人材育成プログラムの構築において、能力構築の要素となりうるクリエイティビティ、デザイン力、マネジメント能力、構想能力などをより精査していくことにより注力した。 この事の達成においては、まず「開発経済学におけるデザインの貢献」という点について、デザインのインプットが開発課題の解決にどのように貢献できるのかを検討した。具体的には、タイ国の各地域をフィールドにクリエイティブ産業の労働生産性と資本装備率の変化を比較し、それらが概ね資本装備率を上げることなく生産性を向上させている様を明らかにした。また日本のクールジャパン政策とビジットジャパンキャンペーンについて、それらの政策インプットが地域経済にどのようなインパクトを与えているのかを検討し、クールジャパン政策が県レベルでの観光入客数の増加に貢献していることを明らかにした。 次に、「ビジネスレベルでの新興国市場戦略」として、各企業がどのようなローカライズ戦略を採用しているのかについて事例収集を進めた。そのうちの成果の一つとして、ユニクロのバングラディシュ市場へのアプローチを考察し、その取組から産業デザイン人材に求められる要件の抽出を試みた。このアプローチについては、次年度以降の研究テーマの設計にも寄与しており、ローカライズ研究から振興国向けのデザイン戦略を検討できる可能性が明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的である人材育成プログラムの構築については、おおよそタイ版モデルが確立に向かっており、さらにそこから途上国におけるデザイン研究という広義のテーマについても貢献が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究から派生したマクロレベルでのデザイン研究を推進した結果、各市場ごとの嗜好性の相違などを明らかにした上でローカライズ戦略というものがどのように変化するべきなのかというテーマを設定できた。このため研究活動をタイ国以外の東南アジア周辺国に拡張し、消費者行動の違いを顕在化させる研究を最終段階で完了したいと考えている。 各国の消費者行動に関しては、本年度中にデータの収集が完了しており、その解析と成果報告を実施したいため、研究期間の延長を申請したが、それが認められたため研究成果の取りまとめに注力する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画が、年度後期にタイおよび周辺国の消費者行動の調査を含んだことにより、収集データの解析、成果報告が次年度以降に残されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の取りまとめ、成果報告のための学会参加に活用する。
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Research Products
(10 results)