2014 Fiscal Year Research-status Report
車椅子トータルサポートシステムの開発と有用性の検証
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26350031
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
古賀 元也 崇城大学, 工学部, 助教 (30635628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 信生 崇城大学, 情報学部, 助教 (60553584)
松原 誠仁 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (60515782)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 身障者支援 / 車いす使用者 / 車いすナビゲーション・システム / 支援システム / 福祉のまちづくり / 最適ルートの探索 / 車いすの振動 / 整備案検討支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
【支援システムの改良】平成26年度の取り組みではシステムの対象地を拡大し,インターフェイスの改善を行った。前年度の実証実験結果で車いす利用者からブロックモデルのビジュアルではユーザーがどこのルートを走行しているか分かりにくいといった意見があり,建物のテクスチャーを貼るなどビジュアルの改善に取り組んだ。また,整備案検討支援機能については身体負担の多い路面の整備や身障者トイレ,駐車場を整備するとどれだけ効果があるかを検証する機能を改良した。 【身体負担を詳細に計測】システムの精度向上を目的に,より詳細に身体負担を計測した。対象地の10m以上のリンク(198箇所)の全ルートを調査員が車椅子で走行し筋電計を用いて測定した。今回の計測では健常者が車椅子で走行し,両腕の①右腕橈骨筋,②右上腕二頭筋,③右上腕三頭筋,④右三角筋,⑤左腕橈骨筋,⑥左上腕二頭筋,⑦左上腕三頭筋,⑧左三角筋を実測した。 【車いすの振動調査】車いす使用者のまちなか回遊における問題点として,歩道の整理不良や歩道素材から受ける車いすの振動や横断勾配が挙げられている。そこで各通りの振動と歩道の傾斜を測定し,考察した。測定方法は車椅子の左右の車輪に角速度センサ,座席の下には加速度・方位・角速度センサ,さらに位置確認兼・タイムスタンプ送信用GPS受信機を取り付けて測定した。 【経路探索の検証とワークショップ】車いすナビゲーション機能における経路探索の検証のため,自走式車いす使用者6名を被験者として実証実験を2回実施した。実証実験を通じて①最短経路,②身体負担の小さい経路,③歩道のみの経路,④車いす使用者らが選択した経路を走行し,その後,ワークショップを実施し,形式で走行した経路について議論した。 【身障者支援組織設立に向けた研究会の立ち上げ】大学関係者と車いす使用者やその関係者らを含めた研究会を設置。意見交換等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は申請時の2年分の計画案(平成26年度,27年度)を1年で概ね達成したことに加えて,計画案にはない①スマートフォン版の試験的開発,②車いすの振動の計測に取り組んだ。 ①スマートフォン版の開発は研究終了後に取り組む予定であったが,研究成果をフィードバックする受け皿として同時並行で取り組むこととした。スマートフォン版の試験的開発によって今後,実用化に向けた動きが加速することが期待できる。 ②車いす使用者が参加するワークショップの成果として,走行時の身体負担の要因のひとつに車いすの振動が挙げられた。そのため最適ルートの探索条件のひとつに車いすの振動を追加するため,対象地の全ルールを実測調査し,路面の整備状況と車いすの振動との関係性を明らかにした。 以上ふたつの成果は平成27年度の取り組みに大きく貢献できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は計画案に従い,精度向上を目的とした身障者支援システムの改良に取り組む。さらに平成26年度の成果から導き出した新たな追加テーマとして,車いす使用者に対する大規模アンケート調査を実施し,車いす使用者のまちなか活動の実態を調査,分析し,その成果を支援システムにフィードバックする。また一方で,本システムの汎用性を高めるための「鳥の目モデル(広域モデル)」の開発に着手する。 現在の支援システムは,熊本市中心市街地の一部のエリアを対象としており,通りすべてに対し詳細な実測調査を行っている。都市空間情報については,通りの路面素材,距離,幅,障害物の位置等であり,車椅子走行時の身体的負担について,通りごとに車椅子走行し,筋電図による8箇所の筋活動量を測定している。このモデルでは,ひとつひとつの通りのデータベース作成に時間と労力を要するため対象エリアの拡大が容易ではない。そのため本モデルでは簡易調査によるデータベース作成方法を確立し,対象エリアを広げることを目的にしている。鳥の目モデルは熊本市中心市街地全域を対象とし簡易調査のみで広域モデルを作成する。そして最適ルートの探索結果が,既存モデルと同等の結果が得られることを目指す。
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Causes of Carryover |
学内競争資金(特定研究)が採択されたことで,当初科研費で購入を予定していた物品の一部を学内競争資金で購入したから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに研究計画に加えた車いすの振動調査やスマートフォン版の購入に充てる予定である。また,本研究テーマが学会で最優秀賞を受賞するなど高い評価を受けていることから学会発表や論文投稿費に充てることも検討している。
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Research Products
(10 results)