2015 Fiscal Year Research-status Report
時間変化を考慮したエルゴノミクスデザインシステムの開発
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26350034
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 一郎 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (80470243)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デザイン人間工学 / モニタリングシステム / 圧力センシング / 可視化アプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、製品の使用状況を時間軸で検証し、製品デザインに反映することを目的としている。そこで、製品使用時の時間的な変化を記録分析し、使用状況を反映した製品デザインの方法について検討する。本年度は、昨年度に開発したセンシングシステムの改善点の抽出と製品の把持力が計測できるセンシングシステムを活用した製品評価の方法についての検討を行った。 センシングシステムの改善点として、これまでに使用していた圧力センサと異なるセンサを用いて圧力検知の比較を行った。その結果、押下方向の制限が少ない反面、圧力検知速度が遅いセンサと、圧力検知速度は速いがセンサの垂直方向のみ感知するセンサに分けることができ、評価対象に応じてセンサを変更することになった。 製品評価の方法として、評価実験時に「手の挙動」と「製品把持力」を計測し、筋骨格シミュレーションモデルと同期することについて検討した。一般的に歩行解析等の動作解析分野では、動作測定値から筋活動量を計算する逆運動力学解析を用いて筋骨格シミュレーションモデルが用いられている。このシミュレーションでは、動作中の人間に付けたマーカー位置と床反力から、関節モーメントを算出し、筋活動を推定している。製品把持の場合でも、動作と圧力がわかれば筋骨格シミュレーションモデルを用いて筋活動量の計算が可能となると考えた。手の挙動はモーションキャプチャで計測し、圧力はセンシングシステムで計測することにし、筋骨格シミュレーションモデルでのシミュレーション方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(平成27年度)に実施する予定であった「センシングシステム」は、昨年度に前倒しで開発することができたため、今年度はセンシングシステムに取り付ける圧力センサの評価や可視化アプリケーションの改善策に時間を割くことができた。また、開発したセンシングシステムを学会等で発表することができたため、当所想定しないなかった分野から新たなニーズを抽出することができた上、現状のセンシングシステムの改良点を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
筋骨格シミュレーションモデルとのデータ同期を想定し、圧力センシングに特化したハードウェアを製作する予定である。圧力センシングに特化したハードウェアは、電源をモバイルバッテリーから電池に変更することで、現状モデル以上にコンパクトで被験者に装着してデータ記録することが可能なものを目指す。また、可視化アプリケーションについて、現状は1アングルの撮影のみ対応している仕様から複数アングルを撮影可能な仕様に変更することにより、センサ貼り付け位置の把握が容易になるよう改良する予定である。さらに、計測したデータを外部のファイルで編集する方法についても検討する。
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Causes of Carryover |
今年度に改良する予定であった可視化アプリケーションについて、来年度にハードウェアと一緒に製作委託した方が良いと判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加費およびセンシングシステムを改良するための製作費用として使用する予定である。
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