2015 Fiscal Year Research-status Report
家庭科教員の実践的指導力向上のための育成指標と現職教育プログラムの開発
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26350038
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
堀内 かおる 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00252841)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家庭科教員 / 育成指標 / 教科マネジメント / 教員の力量形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度の調査によって明らかになった家庭科教員の力量形成に向けた研修等の実態を踏まえ、教員としてのキャリアに応じた家庭科教員の育成指標の策定を図った。具体的には、「家庭科教員の基盤的資質」7項目、「教科に対する知識」6項目、「教科に対する技能・技術」4項目、「教科の指導と評価」16項目、「教科マネジメント」10項目の合計43項目を設定し、これらの指標に基づく教員の意識啓発を図るリーフレット(日本語版及び英語版)を作成した。日本語版は全国の教育委員会の家庭科担当指導主事あてに送付する予定である。今後の教員研修の際に活用を図ってもらえるよう、働きかけていきたい。同時に、本研究者自身が予定している家庭科教員対象の研究会や研修会において、本リーフレットをもとに講座の内容を企画する。英語版は、平成28年8月に開催予定の国際家政学会におけるポスター発表が予定されており、その際に諸外国の家庭科教育研究者に配布し、今後の家庭科教員育成をめぐる国際比較研究の端緒を得たいと考えている。 家庭科教員の育成指標を策定するにあたり、特に「教科マネジメント」に含まれる諸項目の重要性が浮かび上がった。これらの項目には、家庭科の授業を行う上での予算執行計画や実習材料・教材の手配、そして体験的な活動を導入するにあたって保護者や他教科の教員等の理解を得て支援体制を構築する能力などが含まれる。こういった教科に関する単なる知識や指導力ではない、教科指導を円滑に進めるための知恵(ナレッジ)というべきものが教員としての力量の中に育まれていく必要性が確認された。 このほかに、本研究者が主宰する家庭科教員のインフォーマルな学び合いの場として毎月1回の家庭科授業研究会を開催し、教員としてのキャリアや年齢層の異なる家庭科教員の情報交換や教材・授業検討の場として有効に機能させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通りに研究が進展している。英語版の家庭科教員育成指標を作成できたことは、当初の計画をさらに発展させた成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を教育現場に還元するために、授業研究会をより活性化させるために、教員が参加しやすい日時に開催する工夫をするとともに、家庭科教員にとってより切実な課題に即した研修内容を設定する。
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