2015 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会における「つながり」ある暮らしの在り方研究
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26350039
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
得丸 定子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00293267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 洋三 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10368376)
BECKER CARL.B 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60243078)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高齢社会 / つながり / 世代間交流 / 生きがい / Continuing Bonds |
Outline of Annual Research Achievements |
得丸は、地域・人とのつながりに主眼を置いたContinuing Care Community関連施設(鹿児島:NAGAYA TOWER、大阪:ビハーラ21)を訪問し、情報を収集した。また、若い世代・高齢者・地域とのつながりを目的とし、上越市内の過疎地域における日常食の掘り起こしとその伝承をテーマに世代間交流を行った。成果として料理レシピ冊子を製本・出版し、地域住民や希望者に無料配布した。さらに、高齢者と大学生を対象としたエンディングノートに関する研究に着手した。 ベッカーは、高齢者のコミュニティとケアの連携(CCC: Continuing Care Community)に関する国内外の文献収集とその考察を継続した。また、介護ストレスに関する国内外の論文を和訳し序章・結章を書き下ろし出版した。さらに、京都大学で研究成果を反映した授業「超高齢社会の生活論」を開講し、高齢者施設「ライフ・イン・京都」等で高齢者の安定した暮らしの環境保証企画に着手した。 谷山は、 continuing bonds(魂のつながり)の一環として、入棺体験を企画実施した。そのアンケートは分析中である。また、臨床宗教師による傾聴移動喫茶カフエ・デ・モンクにおける continuing bonds(魂のつながり) 醸成の方法と意義を明らかにした論文を発表し、書籍を出版した。東北大学で公開シンポジウムを開催し、被災地での臨床宗教師の活動内容やその意義を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
超高齢社会におけるつながりある暮らしの3視点(世代間・継続的高齢者ケア共同体・魂のつながり)に関する研究を進めた。これまでの情報収集成果の出版や、シンポジウム・セミナー開催による研究成果の還元を行った。研究達成度の自己評価は高い。進捗状況を以下に記す。
1.Continuing Engagement(継続する高齢者活動)については、国内(鹿児島、大阪)の施設を訪問し情報収集を行った。実践面では、上越市内の地域の日常食を掘り起し、継承をテーマに世代間交流を行い、成果として料理レシピ冊子を出版した。さらにエンディングノートに関する研究を着手した。 2.Continuing Care Community(継続的高齢者ケア共同体)については、国内外の情報収集を継続して行った。また、介護ストレスに関する国内外の論文を和訳し序章・結章を書き下ろし出版した。また、研究成果を反映した授業「超高齢社会の生活論」を開講。京都市内の高齢者施設等で高齢者の安定した暮らしの環境保証企画に着手した。 3.Continuing Bonds(魂のつながり)については、入棺体験を行い、その結果を分析中である。臨床宗教師による傾聴移動喫茶カフェ・デ・モンクにおける continuing bonds醸成の方法と意義を明らかにした論文を発表し、書籍を出版した。公開シンポを開催し、被災地での臨床宗教師の活動内容やその意義を紹介した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究は、3視点における「つながりある暮らし」の総まとめとして論文発表を行うと共に、セミナーを開催し研究成果を市民に還元する。以下に具体的に述べる。
1.高齢者と大学生を対象にエンディングノートを用いた交流実践とその分析をおこない、人生の締めくくりと遺される人とのつながりについて纏める。 2.数少ない国内の継続的高齢者ケア共同体と海外との情報とを照らし考察し、日本の風土にあうContinuing Care Communityの提唱を行う。また、京都市内の私立大学と提携して、高齢者の知的資源を活用した共同体モデルを考案し提唱する。 3.人生終末期と遺される人のケアに関して、宗派を超えた宗教的関与の在り方と彼岸と此岸のつながり(Continuing Bonds)の意義をまとめる。
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Causes of Carryover |
ベッカーは、最終年度に海外調査と高齢者の知的資源を利用した Continuing Care Communityを計画しており、その費用に充当するため繰り越し次年度使用とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ベッカーは、平成28年度に米国と台湾の Continuing Care Communityの情報収集を計画しているためその海外旅費に充当する計画である。また、国内において、京都市内の私立大学と協力して高齢者の知的資源を利用したContinuing Care Communityの企画に充当使用する予定である。
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