2014 Fiscal Year Research-status Report
妊娠・出産の高年齢化の現状と課題ーこれからの出産を考えるー
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26350044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 ゆかり 大阪大学, 国際教育交流センター, 准教授 (90399618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 香織 奈良女子大学, その他部局等, 准教授 (40324959)
瀬戸山 晃一 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 招へい教授 (00379075)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢出産 / 妊娠 / 出産 / 産科医療 / 不妊治療 / 出生前診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、安心して出産を迎えることができる産科医療体制の再構築に向けた新たな知見の提供を目的とする。研究計画の進め方として、アンケート調査と妊産婦と医療関係者へのインタビュー調査により、妊娠・出産の高年齢化の現状を把握するため、下記の3つの課題に取り組んでいる。課題1.妊産婦の産科医療機関の選択の意思決定、課題2.妊産婦の健康リスクの認知と医療介入の選好、課題3.産科医療関係者の妊娠・出産の高年齢化のリスク認知とその対処、である。
今年度は課題1.妊産婦の産科医療機関の選択の意思決定、課題2.妊産婦の健康リスクの認知と医療介入の選好を明らかにするため、アンケート調査を実施した。アンケート調査では、妊娠・出産の高年齢化により2002年時と比べて医療介入の選好に変化があるのか、近年増加している体外受精や出生前診断、卵子・精子提供による妊娠など生殖補助医療に対する妊婦の意識や実施状況、就業の状況や妊娠・出産に関わる費用、産後のサポート状況など、出産後安心して妊娠・出産・子育てができる環境を検討する項目を尋ねた。
計画当初予定していた育児関連企業からはアンケート調査への協力を断られたため、新たな調査協力先を検討した。調査協力への同意を得られた大阪市と東京都(世田谷区・練馬区・港区)の母親教室にて調査を実施した。アンケート調査は、2014年11月~2月にかけて、大阪市内全24区で実施の母親教室と、東京(世田谷区・練馬区・港区)の区主催の母親教室において参加者を対象に質問紙を配布した。配布総数は1,340で、回収数が357、回収率が26.6%であった。次年度以降は、このアンケート調査の分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたアンケート調査協力先からアンケートの協力が得られず、アンケート調査協力先を新規に開拓したため、アンケート協力の承認を得るまでに時間がかかった。そこで、当初26年度に計画していた妊産婦に対するインタビュー調査は、27年度に実施することとした。そのため、やや遅れているとした。
今年度は、この研究での主要部分のアンケート調査を実施し、データを得ることができたため、研究の目的の達成度はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、アンケート調査で得られたデータから、課題1.妊産婦の産科医療機関の選択の意思決定、課題2.妊産婦の健康リスクの認知と医療介入の選好、を明らかにしていく。さらに、出産後の母親へのインタビュー調査を実施する。27年度後半から、課題3.産科医療関係者の妊娠・出産の高年齢化のリスク認知とその対処、産科医療に携わる医療従事者や関係者にインタビュー調査を実施予定である。
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Causes of Carryover |
1.当初計画をしていたアンケート調査の依頼先から調査協力が得られなかったため、新規に調査協力先を探すこととなり、調査交渉に時間がかかった。また調査規模も縮小するなどの変更があったため、入力作業にかかる日数が短縮されることとなり、費用が縮小された。 2.アンケート調査の交渉に時間がかかったため、当初計画では初年度に予定していた産後の母親へのインタビュー調査を次年度で実施をすることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度に実施予定であった母親向けのインタビュー調査を27年度に実施するため、26年度に執行していなかった研究費を使用する。
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