2014 Fiscal Year Research-status Report
消費者運動の変遷と消費者団体の現代的特徴に関する実証的国際比較研究
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26350054
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
丸山 千賀子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (20324965)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消費者政策 / 消費者問題 / 消費者運動 / 消費者団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、消費者運動の歴史的変遷を体系的に整理した上で、現代の消費者団体の特徴とそれを取り巻く社会や消費者政策の現状についてまとめ、今後の課題と展開について探ることが目的である。 世界の動向に目配りしながら日本の消費者運動の歴史的変遷について体系的にまとめることが本研究の基礎となることから、2014年度は、戦後70年を10年毎に区切り、それぞれの時代における社会の動きと消費者問題、並びに消費者運動の流れを関連づけて整理した。その際、興味深い事例については資料・文献から年代的に出来事を整理するだけでなく、実際に運動を牽引してきた運動家・専門家へのインタビュー、国内・国外の主要な消費者団体や消費者行政機関の調査を通して、実態も織り込んだ内容にすることを目指した。 現代史においては、諸外国の主要な団体について、欧米諸国を調べ、現代的特徴を比較論的視点からまとめた。具体的な訪問先はアメリカ、ベルギー、フランスー、ドイツである。各国の主要な消費者団体や行政機関、欧州委員会を訪問し、消費者団体に関わる消費者政策の最新情報を収集した。 これらの成果は、2015年4月に書物として出版した。内容は次のとおりである。第1章では、消費者や消費者問題といった言葉の概念や社会における消費者の位置づけを整理し、第2章では、消費者運動とはどのようなものか、消費者を組織化することの意義についてまとめた。第3章から第9章は、戦後から現在に至るまでの消費者問題と消費者運動の変遷について社会の動きを踏まえながら振り返り、消費者政策の形成過程を辿った。第10章ではこれまでの時代背景を前提にしながら、消費者政策の変遷と現在の消費者政策の仕組みについてまとめた。第11章では、消費者政策の現状を踏まえ、消費者団体の役割と日本の消費者団体の動きについて、第12章では諸外国の消費者政策の動向についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3カ年で達成すべき内容の半分程度を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の成果として、本研究の基礎となる消費者問題と消費者運動の歴史的変遷をまとめ、現在の消費者運動と消費者団体の国内国外の状況について概要をまとめた。今後はこれを前提として、国内国外の消費者団体と消費者政策について質的調査を実施し、各国の状況についてまとめ、国際比較ができるような書物を執筆する予定である。その際、消費者団体を調査していく中で、世界的に重視されている消費者問題を探って、テーマ毎にまとめていく作業も併せて進めていきたい。
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Research Products
(1 results)