2015 Fiscal Year Research-status Report
消費者運動の変遷と消費者団体の現代的特徴に関する実証的国際比較研究
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26350054
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
丸山 千賀子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (20324965)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消費者政策 / 消費者団体 / 消費者運動 / 消費者問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年の成果を踏まえ、2015年4月に消費者問題と消費者運動の歴史的変遷と現在の消費者運動と消費者団体の国内外の状況についてまとめている。 2015年度は、この成果を前提として、これまでに同時に調査研究を進めてきた欧米を中心とした海外の消費者団体と消費者政策について質的調査を基にまとめ、国際比較を行った。対象国は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギーとこれらの国々とかかわりの深い国際的な消費者組織である。 各国比較研究については、消費者政策とそれを管轄する組織、代表的な消費者団体の特徴を調査した。さらに、この調査を通して明らかになった国際的な消費者問題についてもまとめた。 これらの調査研究の成果は、著書『消費者をめぐる世界の動き ―欧米の消費者団体と政策―』にまとめ、2016年5月に公刊する。この本は、海外の消費者機関や消費者団体の中から、一般的によく知られているところについて、インタビューなどの調査をもとに、その組織の特徴や働く人々の考え方を紹介した内容になっている。消費者問題を切り口にしながら、消費者をめぐる国際的な動きについて消費者の意識や行動を背景とした各国の消費者団体の活動内容を収録している。読者が様々な国の生活事情を知り、国際的な消費者感覚を身につけられるよう一般消費者にとってわかりやすい記述内容を心がけて、大学教育における授業用テキストとしても使えるような内容にした。 構成は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの消費者政策の概要をまとめ、重要な消費者団体や組織についてインタビューと文献調査から組織体制や活動内容、関心を持っている活動についてまとめた。世界的な組織については、欧州委員会、国際消費者機構などをはじめとする重要な組織についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に引き続いて、研究成果を出版する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2か年において、本研究課題の成果を『消費者問題の変遷と消費者運動―消費者政策の基礎―』(2014年)、『消費者をめぐる世界の動き ―欧米の消費者団体と政策―』(2015年)にまとめることができた。 次年度は最終年度になるため、これらの成果を踏まえて、補足すべき点を洗い出し、研究の総まとめを行うと共に、今後の研究の発展に向けて体制を整える。 例えば、イギリス調査において、重要な消費者団体に関してインタビューに応じてもらえなかったが、その後、政府機関を通して紹介してもらえることになった。また、これまで欧米諸国を中心に調べてきたが、国際的な動向を広く調べるためには、北欧やアジア諸国も重要である。 これらの点を最終年度で補足・調整しながら、本研究課題を完成させることを目指すとともに、次の研究課題に発展させていくことも念頭に置きながら取り組むことにする。
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Research Products
(4 results)