2015 Fiscal Year Research-status Report
トイレでの排泄行為時における温熱環境が人体に及ぼす生理的・心理的影響
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26350071
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石井 仁 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70321479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 慎一 大同大学, 工学部, 教授 (00340175)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トイレ / 温熱環境 / 血圧 / 皮膚温 / 温冷感 / 快適感 |
Outline of Annual Research Achievements |
夏期に本実験を実施した。昨年度の実験ではスリムファンヒーターの吹き出し口の風速を計測していなかったため,夏期の実験に際して風速計を設置した。昨年度の予備実験で実験室の気温を28℃と35℃に設定したが,皮膚温よりも高温であるような温熱環境では送風の効果が期待できないことが判明したため,気温の条件は28℃,33℃とした。それ以外の条件および測定項目は昨年度と同様である。被験者として男性9名,女性11名の計20名が参加した。予備実験および今年度の実験を通して夏期の実験は条件およびデータとも十分であると判断したため来年度は実施しない。 冬期に昨年度とは異なる条件で実験を実施した。気温と温風の組み合わせ条件は同一だが,全ての条件で暖房便座を運転した状態で実施した。昨年度の冬期実験,夏期実験のデータ分析を行う過程で血圧の個人差が大きいことが判明したため,模擬排便の方法をバルサルバ法に準拠した。そのため差圧風速計を導入した。測定項目に関しては従来と変更はない。被験者として男性6名,女性9名の計15名が参加した。冬期中に昨年度と同一条件で追加実験を行うことは日程的に不可能であり断念した。 11月に開催された国内の学会の年次大会で昨年度の冬期実験に関して発表を行った。データ分析の途中ではあったが今後の分析で参考となる意見交換を行うことができた。特に皮膚温や血圧などの生理反応については活発に討論を行い,その重要性を再確認した。 来年度開催される国際会議に原稿を提出して受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は夏期および冬期の本実験を実施でき,また現時点での実験結果について成果を公表することができたため,おおむね順調に進展していると判断した。 当初は夏期,冬期実験ともに被験者数を男女ともに10名程度と計画していたが,冬期に関しては学期中であったため研究代表者,研究分担者および主たる被験者である学生の日程調整が極めて困難で計画していた人数での実験は実施できなかった。夏期に関しては休業期間中であったため,ほぼ計画人数で実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験で得られたデータの分析を鋭意行う。冬期の実験に関しては8条件で,夏期の実験に関しては4条件での比較検討を行っていく。 7月の国際会議で成果発表を行い,世界へ向けてトイレの温熱環境を改善する方法について提言する。また会場で意見交換や討論を行い今後の分析の参考とする。 データ分析が済み次第,学術雑誌への投稿に向けた論文執筆を鋭意進める。
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Causes of Carryover |
被験者が当初計画した人数を集めることができなかったのが最大の理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議や国内学会での旅費ならびにデータ分析で必要となる物品費や投稿料に充てる。
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