2015 Fiscal Year Research-status Report
乳化剤とカーボネーション処理を用いた細菌胞子殺菌技術の確立
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26350094
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野間 誠司 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40392071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食品と貯蔵 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の研究により、Monoglycerol monocaprate(MC10)やMonoglycerol monolaurate(MC12) のようなグリセリン脂肪酸エステルと加熱下でのカーボネーション処理(液体食品に二酸化炭素を加圧溶解させる処理, CH 処理)の併用により、Bacillus属細菌胞子やGeobacillus stearothermophilus 胞子を効率的に殺菌可能であることを明らかにしている。 本研究ではまず、この併用処理の殺菌挙動(MC10濃度、殺菌処理時間および温度依存性)を調べた。その結果、CH(80℃, 5 MPa, 15 min)の殺菌効果はMC10の濃度(0.01-0.05%)依存的に増加した。比較で行った加熱処理(HT; 80℃, 15 min)においてはMC10の濃度に関わらず殺菌効果が認められなかった。B. subtilis胞子のCH処理による死滅速度は、MC10(0.05%)添加により増大すること、温度変化による死滅速度の変化はMC10存在下で小さくなることが示唆された。また、CHとHTは濃度0.004%以上のMC10と併用すると同程度の静菌効果を示した。 MC10(0.05%)とCHの併用処理後に未処理の約6倍のDPA放出、DAPI染色性の獲得が認められ、MC10とCHの併用処理によって胞子が発芽していると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に行っていた研究については論文および学会発表を行うことができた。現在、2年目に行った研究内容を論文としてとりまとめ中である。
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Strategy for Future Research Activity |
乳化剤とカーボネーション処理後に再加熱を行う処理(間欠処理)が高い殺菌効果をあげることが分かった。当初計画にはなかったが、研究内容の価値が高いと判断し、積極的にデータ収集を行うことにした。
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