2014 Fiscal Year Research-status Report
ペースト食の客観的評価方法および簡易判別方法の検討
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26350102
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
栢下 淳 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (40312178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 誉志江 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (40634150)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / ペースト食 / ミキサー食 / ピューレ / 均質 / 学会分類2013 / 嚥下調整食 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会(会員数11000名)で作成された嚥下調整食分類2013(学会分類2013)により、臨床で嚥下調整食の共通理解が進んできている。従来の分類方法を細分化した段階もある。その1つがペースト食(ミキサー食、ピューレとも呼ばれる)であり、均質なペースト食と不均質なペースト食に細分化されている。 そのため、臨床現場ではどのような試料が均質あるいは不均質なのかという判断は各病院や施設での官能試験を基に判断されているが、この方法では臨床での共通理解とは言い難い。 そこで、専門職が集まる講習会等で複数の市販ペースト食を均質か不均質に判別するために官能試験を繰り返した。その結果、肉類が入っている試料は、肉類の粒が小さくても、また少量でも不均質と判断される傾向が強かった。また、官能検査の項目では、なめらかさと均質性に相関があった。 上記の結果を踏まえ、決まったサイズのメッシュを通すことで均質性が担保できるのではないかと考えた。そこで、メッシュサイズの異なる5種類のメッシュを用意し、ここまでの官能試験で過半数の方が不均質とされた試料を各メッシュに通し、講習会等で専門職が集まる際に官能試験を繰り返した。その結果、600μmのメッシュをパスしたものは、過半数の方が均質との回答が得られた。 今回の官能試験では、約1000名の専門職にご協力いただいた。 本結果を臨床現場に生かすため、市販食品を学会分類2013で区分した書籍を作成している。書籍は2015年9月に発売予定である。また、国際嚥下調整食基準策定に関する会議 (International Dysphagia Diet Standardisation Initiative) が2015年1月にバンクーバーで開催され、上記の結果等を欧州、北米、オーストラリアなどからの参加者に情報提供を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペースト食の均質性を担保できるメッシュサイズを約1000名の専門職の官能試験を基に決定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果を踏まえ、申請通り、平成27年よりペースト食の簡易粘度測定方法の検討を行う。
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