2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the new functional ingredient with effects comparable to exercise with the aim of utilization as foods
Project/Area Number |
26350109
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
草野 由理 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (90432252)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジオスゲニン / ジネンジョ / 骨格筋 / 脂質代謝 / 細胞融合 / AMPK / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジオスゲニンは一部のヤマノイモ属のイモに多く含まれる植物ステロールある。本申請研究は、ジオスゲニンが示す新規機能性を明らかにするとともに、この作用をより有効にする調理加工法を検証するものである。これまでに、ジオスゲニン摂取ラットにおいて、内臓脂肪の蓄積抑制作用に加え、新たに骨格量の増量効果を見出してきた。そこで当初の予定を変更し、ジオスゲニンが示す骨格筋増強作用を明らかにすることを目的として研究を進めた。骨格筋細胞は細胞融合により多核の骨格筋細胞となり、筋収縮を担う骨格筋細胞へと細胞分化する。これまでにマウス筋芽細胞株C2C12細胞を用いて、ジオスゲニンが骨格筋細胞の細胞融合を促進することを明らかにし、本年度はその作用機序について検討した。その結果、ジオスゲニンによる骨格筋細胞の細胞融合には核内受容体の関与を示唆する結果が得られ、さらに細胞融合に関わる骨格筋細胞間の細胞接着を担う接着分子の遺伝子発現を誘導する結果が得られた。以上のことから、ジオスゲニンは骨格筋細胞の核内受容体を標的分子とし、細胞間接着を担う接着分子の発現を亢進することを介して、骨格筋細胞の細胞融合を亢進することと考えられ、これらの作用がジオスゲニン摂取ラットの骨格筋量の増加に寄与するのではないかと考えられた。またこれまでに、ジオスゲニンがC2C12細胞のAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)のリン酸化レベルを亢進し、そのシグナルの下流にあるPeroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator-1alpha及びリポタンパク質リパーゼの遺伝子発現を誘導することを見出している。本年度は、AMPKを介したシグナル経路の上流キナーゼについても検討し、ジオスゲニンによる内臓脂肪の蓄積抑制における骨格筋細胞の関与を強く示唆する結果が得られた。
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