2014 Fiscal Year Research-status Report
新しい食料資源としてのエゴマタンパク質の利用に関する基盤的研究
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26350110
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
竹中 康之 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (20273518)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エゴマタンパク質 / 溶解性 / 乳化性 |
Outline of Annual Research Achievements |
エゴマ油は、α-リノレン酸を豊富に含むため、健康機能が期待できる食用油脂として注目されている。しかしながら、エゴマ脱脂粕はタンパク質含量が約40%と高いにもかかわらず、食品素材とされずに肥料や飼料として利用されている。これは、含有するタンパク質に関して、アミノ酸組成はもとより、加工特性や生理機能の情報が皆無であったことに起因する。そこで、本研究は、エゴマ種子中の主要タンパク質の特性を明らかにし、食品素材としてベストな利用法を提案することを目的としている。 本年度は、エゴマ主要タンパク質である(高分子)グロブリンを、主なターゲットとした。本タンパク質は、リジンが若干不足するものの必須アミノ酸をバランスよく含むこと、また加熱ゲル形成能を有し、保水性に優れていることを見出している。まず、本タンパク質の回収・粗精製法について、従来見出している方法に改良を加えた。また、本グロブリンは中性付近で溶解度が低かったため、酵素分解による可溶化を試みた。数種類のプロテアーゼを検討し、酵素分解による可溶化のベストな条件を明らかにすることができた。酵素分解によって、加工特性(乳化性など)の向上が確認され、その評価を行っている。 また、エゴマタンパク質全体を効率よく抽出する条件を検討した。脱脂粕をアルカリ抽出後、等電点沈殿により、効率よく回収できることを見出した。エゴマタンパク質を食品素材として利用する際に応用できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エゴマタンパク質のなかで、約3割を占める低分子タンパク質も本年度の研究対象としていた。低分子タンパク質の抽出後の回収が大事なポイントであるが、効率的な方法が確立できずにいる。また、低分子タンパク質は、それぞれ単一のアルブミンとグロブリンを想定していたが、数種類のタンパク質の混合物の可能性があり、実験計画の見直しが必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
エゴマに含まれる主要タンパク質の機能解析を引き続き実施する。また、主要タンパク質の酵素分解物の加工特性、生理機能を解析する。
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Causes of Carryover |
本年度実施予定の解析(分析委託も含む)が、次年度以降の実施となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
HPLCを用いた分析、アミノ酸分析、加工特性の解析などに使用する消耗品の費用として使用する。
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