2015 Fiscal Year Research-status Report
水素分子の糖尿病改善効果と遺伝子発現誘導における作用機序の解明
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26350129
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
上村 尚美 日本医科大学, 付置研究所, 准教授 (60283800)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 酸化ストレス / 抗酸化剤 / 肝臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスは、糖尿病を誘発する原因のひとつと考えられている。また、糖尿病を発症すると酸化ストレスがさらに増加し、腎症や網膜症等の合併症を引き起こすことが知られている。申請者らは、これまでの研究により、水素分子(H2)が有害な活性酸素種のみを選択的に還元し糖尿病を含めた様々な疾患の改善に効果的な抗酸化剤であることを報告している。 これまで行った研究により、2型糖尿病のモデルマウスdb/dbにおいて水素水を飲用水として3ヶ月間自由摂取することにより肝臓で分泌されエネルギー代謝を調節するホルモンFGF21の遺伝子発現が増加することが明らかとなったている。しかしながら、この結果は水素分子の長期摂取によるものなので、FGF21の遺伝子発現の増加が水素分子による効果の一次的な原因なのか、二次的な結果なのか不明であった。 今年度は、水素分子の投与期間を短くして効果が現れるより前の段階において遺伝子発現の変化をマイクロアレイにより網羅的に解析を行った。その結果、H2は脂肪酸およびステロイド代謝に関与する種々の遺伝子の発現を増加させることを明らかにした。これら遺伝子群の転写活性化経路としてPPARαシグナルパスウェイが同定され、初期の反応としてPGC-1αの遺伝子発現が増加し、続いてFGF21の遺伝子発現が増加することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始の時点でモデルマウスや測定機器・設備等が整っていたため、おおむね計画書の通りに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに糖尿病モデルマウス(db/db)を用いた実験系で明らかになったH2の効果の分子機構について、培養肝細胞であるHepG2を用いて解明していく。また、高脂肪食を与えた野生型マウスを用いて寿命への影響を解析する。
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[Journal Article] Intravenous transplantation of bone marrow-derived mononuclear cells prevents memory impairment in transgenic mouse models of Alzheimer's disease.2015
Author(s)
Kanamaru T, Kamimura N, Yokota T, Nishimaki K, Iuchi K, Lee H, Takami S, Akashiba H, Shitaka Y, Ueda M, Katsura K, Kimura K, Ohta S.
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Journal Title
Brain Res.
Volume: 1605
Pages: 49-58
DOI
Peer Reviewed
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