2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のための美味しさ感を高色再現する食彩支援システム
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26350135
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀井 千夏 摂南大学, 経営学部, 教授 (00273863)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複合現実感ディスプレイ / 食彩デザイン / 色彩情報処理 / 美味しさ感 / 協調投影 / 食品カラーリスト / 高齢者の食卓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,プロジェクタとカメラを用いて表面特性に影響されることなくフレキシブルに協調投影する複合現実感ディスプレイを構築し,このディスプレイを用いて高齢者の摂食動機を効果的に向上させる食彩支援システムを提案する.本システムでは,摂食行動に制限を抱え,類似した調理方法や偏った食品選びになりがちな高齢者の食事を仮想的に色置換し,食彩による美味しさ感を増強させて食欲低下の傾向にある高齢者の食事に楽しみや満足感を提供することが目的である.この実現に向けて,喫食者が食品に対して抱く記憶色や,色の見え方(視覚特性)の個人差を考慮し,美味しいと感じる色値を実食品の色分布傾向から導き,複合現実感ディスプレイを用いてこの色彩情報を提示することで仮想的な食事の彩り(食彩)の改善を目指す.初年度である昨年度(平成26年度)は,食彩を仮想的に色置換するための複合現実感ディスプレイの実現を目指して,協調プロジェクションの試作システムを構築し,高品質な色再現を行うためにプロジェクタ投影光の推定と色補正手法について実施した.今年度(平成27年度)は昨年度に引き続き,このシステムを用いた食彩提示のための食品カラーリストと記憶色の導出を行った.具体的には,摂食動機を向上させる食彩提示のための食品カラーリストの算出として,食品キーワードに対応したカラーリストの抽出とデータベース化を行い,喫食者と支援システムの対話から記憶色を推定することで食品カラーリストを絞り込んだ.また,高齢化による視覚特性の個人差についても色補正を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度と同様に本年度においても研究課題の計画に従って実施した.本年度は予定通り,摂食動機を向上させる食彩提示のための食品カラーリストの算出,および,高齢者の視覚特性を考慮した高品質な色再現のための色補正について実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(最終年度)では,複合現実感ディスプレイに食彩改善のための手法を統合し,入力操作のユーザインタフェースを構築・実装する予定である.また,食彩改善の結果分析およびシステムの色再現性の結果に対して評価を行う予定である.
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Causes of Carryover |
本年度に購入した眼球計測システムが調達方法の工夫により予定額より安価となったため未使用額が生じた.この差額は次年度に購入する予定である評価装置の価格には不十分であるため,有効活用の観点から次年度に繰り越すことにした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究計画を実施する上で必要となる物品費として使用する予定である.
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