2014 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドローム治療に向けたベージュ細胞の基礎的研究
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26350136
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
安井 菜穂美 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (70399145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 克巳 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (80273499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肥満 / 脂肪組織 / ベージュ細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドロームモデルラットSHRSP・ZFは、加齢にともない、高血圧・肥満が発症、重症化し、脳卒中を引き起こすヒトメタボリックシンドロームモデルである。近年、白色脂肪細胞中に熱産生能をもつ褐色様脂肪細胞(ベージュ細胞)が存在することが報告されている。本研究では、肥満進展における各種脂肪細胞(白色脂肪、ベージュ細胞、褐色脂肪)のメタボリックシンドローム病態への関与をしらべるため、基礎的検討として、肥満モデル動物の肥満進展に伴う脂肪細胞の変化をしらべた。 SHRSP.ZFラットは、離乳後の4週齢より非肥満同腹子に比べて脂肪組織が多く、8週齢、12週齢と加齢につれてSHRSP.ZFラットは著しい脂肪組織の増加し、褐色脂肪細胞の形態学的解析から、肥満においては褐色脂肪細胞が白色化認められた。褐色脂肪細胞に特異的なUncoupling Protein-1(UCP-1)の発現は、4週齢の時点で肥満動物では発現が減少傾向にあり、脂肪細胞の増加とともに褐色脂肪細胞の白色化が亢進していることが示唆された。脂肪細胞中のベージュ細胞の発現確認は進行中であるが引き続き、肥満モデル動物において、脂肪細胞分布について調べる予定である。 モデル動物の脂肪細胞において、その褐色化誘導の反応性をしらべることは、肥満病態の改善に有用であると考えられる。当初の計画では今年度に脂肪細胞の単離・褐色誘導化をおこなうことになっていたが、条件検討に時間がかかっており、次年度に引き続きおこなうこととなった。トランスジェニックラットの作製準備は順調である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用する機械の故障により、予定していた実験ができず、研究としては予定よりやや遅れている。 しかし、実験に用いるサンプルは準備が完了しているため、機械が使用できる状態になれば十分取り戻せる遅れであると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、肥満動物における脂肪部位別発現についてさらに検討をおこなうとともに、モデル動物からの脂肪細胞の単離・褐色化誘導を試みる。機械不良から予定より実験進度がやや遅れている。次年度は、まず遅れている実験を優先的におこなうとともに、トランスジェニック作製の準備もすすめていく予定である。実験に用いるサンプルは調整済であり、引き続き研究を順調に進める準備はできている。 遅れている部分の実験については、機械整備が必要であり、予定外の出費がかかることも予想されるが、その場合は同等の結果がだせる実験方法を選択し、実質経費の減額が実験結果に影響を与えないよう検討をおこなう。 本研究では、脂肪細胞特性を解析するためにトランスジェニックラット作製する。近年、トランスジェニックラットの作製法は本研究計画申請時に比べても新たな手法が見出されているため、新しく、かつ効率のよい作製法について連携研究者と検討した上で採用する。
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