2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350143
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大竹 正枝 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (00724858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千里 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90174375)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 食行動 / 妊婦 / 栄養 / 疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで数少ない研究対象となっている妊婦を対象に栄養摂取状態、食行動、生活習慣、精神健康度などの個人生理要因および、教育、仕事、所得などの社会経済要因も補足的解析要因として多様な側面から解析を行うコホート調査である。それらのデータを解析変数に入れて母親、父親、児の生化学データとの関連を検討する。解析から得られたデータを基に、母体の健康維持・増進を目的とした介入プログラムの作成およびその普及効果の検討を行う。 二年目となる平成27年度は、1)千葉大学予防医学センターと早稲田大学の共同研究である妊婦対象のコホート調査の遂行およびデータ収集、2)環境省が主導する出生コホート調査(通称:エコチル調査)より母親の栄養状態と化学物質(PCB)暴露の関連性および妊婦の葉酸について解析を進めた(Chemosphereに投稿中;共著者)。 妊婦の葉酸については、妊婦の血中葉酸と緑茶類を含むカフェイン含有飲料との関連について明らかにすることを目的に解析を行った。カフェイン含有飲料の摂取量に伴い、食事性葉酸は増加傾向にあるにもかかわらず血清葉酸が減少する傾向が見られた。本研究の結果から、血清葉酸とカフェイン含有飲料との間に関連があると考えられた。そのため、妊婦はカフェインを多く含有するコーヒーだけでなく、緑茶類の摂取についても注意する必要があると思われる。この研究は論文化し、現在、Public Health Nutritionに投稿中である(corresponding author)。 また、妊婦の食事パターンと社会経済要因について解析を進めている。具体的には、妊婦が低栄養状態もしくは栄養バランスに偏りがあれば低出生体重児のリスクが高くなるとの仮説を検討している。 そして、さらに妊婦の食事パターンおよび食行動とパーソナリティーについて解析を進める。この解析結果が、母体の健康維持・増進を目的とした介入プログラム作成に不可欠であると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
千葉大学予防医学センターが主体となって実施するコホート調査は、平成27年6月末でリクルートが終了し、現在は参加者のフォローアップに留意しながら調査を進めている。現在、栄養調査および生体試料データを用いて解析を行っている。また、本研究のデータセット取得と解析に時間を要しているため、本研究の最終目的である母体の健康維持・増進を目的とした介入プログラムの作成およびそのプログラム普及方法の検討については、進捗が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在進行中であるコホート調査より得られたデータを基に順次解析を進めており、その成果を学会および論文等で発表を行っている。最終年度となる本年は、「母体の健康維持・増進を目的とした介入プログラムの作成およびそのプログラム普及方法の検討」について力をいれて進めていく。
|
Causes of Carryover |
研究デザインを精査したことにより、購入の必要がなくなった物品があった。 研究者自らがデータ整理を行ったため、謝金が発生しなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究発表のための国内および外国旅費、論文閲覧、資料作成費、印刷費、研究遂行の必要経費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)