2017 Fiscal Year Annual Research Report
Alteration of glycan-related gene expressions by the supplementation of products derived from cartilage
Project/Area Number |
26350153
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
神山 伸 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (70525401)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖鎖 / コラーゲンペプチド / 軟骨 / 関節炎 / リウマチ / グリコサミノグリカン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は軟骨構成成分の有効性を明確にするために、軟骨構成成分であるII型コラーゲン由来ペプチドとグルコサミンを関節リウマチ自然発症モデルであるSKGマウスに投与することにより、リウマチ関節炎の発症に及ぼす影響と相互作用を比較検討した。 関節炎スコアによる関節炎症状の評価では、II型コラーゲンペプチドの摂取は関節炎症状の軽減効果を示したのに対し、グルコサミン単独の摂取では寧ろ悪化傾向がみられた。一方、両者の併用ではII型コラーゲンペプチド単独より関節炎の抑制効果が高く、相乗効果を持つことが示唆された。また、グルコサミンの摂取は骨形成を抑制し、骨強度を低下させる可能性が示されたが、これに関してもII型コラーゲンペプチドとの併用により改善されることが示された。SKGマウスにおけるグルコサミンの作用には、軟骨分化能の低下や骨破壊の促進、骨形成の低下などがみられたが、一方で軟骨を破壊するマトリックス分解酵素を抑制し、組織膨潤化と軟部組織の増加を抑制したことから、関節炎症状進行に対して、二面性を持つものと考えられる。 SKGマウスにおけるリウマチ関節炎の発症には、インターロイキン-6やインターロイキン-17などの炎症性サイトカインが関与しているが、II型コラーゲンペプチドの摂取はこれらを抑制することにより関節炎を軽減したのに対し、グルコサミンはその抑制効果を持たないものの、軟骨基質の破壊を抑制する可能性が示された。 これらの結果から、関節リウマチを発症したSKGマウスでは関節の炎症と軟骨分解が亢進するが、軟骨由来成分であるII型コラーゲンペプチドの投与によりその症状が軽減される可能性が示された。一方、グルコサミン単独の投与では有効性が乏しいものの、コラーゲンペプチドの作用を増強することによる相乗効果が期待できることが示された。
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