2014 Fiscal Year Research-status Report
NASH発症予防における希少糖D-アロースの投与効果および栄養療法の探索研究
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26350158
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
中村 強 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (30581912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | D-アロース / 非アルコール性脂肪肝炎 / ビタミンE / 分岐鎖アミノ酸 / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)生活習慣病に特化したDNAマイクロアレイ、すなわち代謝関連遺伝子を中心に搭載したカスタムチップを用いて、NASHの発症に伴う代謝関連遺伝子の経時的変化を明らかにすること、ならびにD-アロース(DA)投与及び日常的な摂取量におけるビタミンE投与のNASH発症予防に対する効果を遺伝子レベルで評価した。 DNAマイクロアレイ(各群 n=3)での遺伝子の発現量に及ぼす影響をクラスター解析にて検討した。遺伝子検討項目はn=3の平均値を用いた代謝および炎症関連遺伝子のみで作成した場合で、ややDAで改善傾向が見える結果になっていたが、各遺伝子毎の解析ではDA投与の発現変動はNormalよりも病態モデル寄りと考えられた。すなわち、遺伝子発現レベルにおいては実際に表現型と症状の改善傾向の一致が得られないと判断された。理由として、表現型への影響ほど、遺伝子に大きな影響を与えない。もしくは、DA投与のみで全体的な発現変動を示す大きな遺伝子変動はなく、特定の鍵となる遺伝子がある可能性も考えられる。今後は、個々の遺伝子発現に及ぼす影響を観察し、必要に応じてリアルタイム-PCRなどの定量分析を行って、詳細な解析を進めて行きたい。 2)発症予防を検討するための栄養成分として、希少糖D-アロース(DA)及び食品中の抗酸化成分であるビタミンE、さらには分岐鎖アミノ酸に着目して、同時投与の効果を検証した。本研究では生活習慣病の予防のため、日常的な摂取を考慮した投与量を設定し、効果検証を行った。しかし、本年度から動物飼育室を変更したため、再現性のないデータが得られた。その理由に以前の飼育室の違い、すなわち飼育環境もしくは飲料水、さらにはモデル作製に使用した薬物の変更(メーカーが異なる)の影響が考えられ、これを現在検討中である。可能性としては飲料水が異なり、また使用薬物の違いが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度より、新設備である動物飼育室を使用して、実験を実施した。その結果、再現性ある結果が得られていなかったことから、その理由の探索に1年間を費やした。 しかし、以前実施した肝臓サンプルがあったため、前倒しにて、肝臓組織中の遺伝子を抽出し、DNAマイクロアレイを実施した。結果の詳細な解析を現在、進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
再現性の確認はほぼ見通しがついたため、今後、有効成分の同時投与による影響、DNAマイクロアレイの結果に基づいたPCR解析、DA投与によるグルコースの取込みに及ぼす影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は大型の分析委託費が発生しし、そのため前倒し支払請求を行なったが、僅かではあるが、その一部が残金として残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に使用する動物代などに充当する予定である。
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