2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on psychotherapeutic approach in the cooking process
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26350167
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
板東 絹恵 四国大学, 生活科学部, 教授 (70208726)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 調理作業 / 机上作業 / 心理的効果 / POMS / アミラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究では、心理療法的アプローチ法を検討するため、主観的及び客観的指標を用い、グループで行う調理作業の心理的効果をみた。 【方法】同意を得た大学生133名(19.6±0.7歳)を対象として、グループで行う調理作業の前後、及びその対照群として、グループで行う座位の机上作業の前後に、気分や感情を評価する日本語版Profile of Mood States(POMS)の質問紙調査と、交感神経の興奮状態をみる唾液中α-アミラーゼ活性(アミラーゼ)の測定を行い、それぞれの作業後に自由記述を含むアンケートを試みた。 【結果】調理作業前後でPOMSの「緊張-不安」、「抑うつ-落込み」、「怒り-敵意」、「疲労」、「混乱」が有意に低下した(t=2.98,4.71,4.35,2.89,3.51,p<0.05)。机上作業前後についても同様に低下が見られ、さらに「活気」も有意な低下があった。また机上作業に比較して調理作業は、「怒り-敵意」のt値が、「疲労」、「混乱」は、t値、有意水準ともに高かった。次にアミラーゼは個人差が大きいため、アミラーゼ変化スコアを (作業後アミラーゼ値-作業前アミラーゼ値)/作業前アミラーゼ値×100 で算出した結果、調理作業の平均は118.7±340.2、机上作業は178.3±741.9であった。KJ法による自由記述の分析では、調理作業及び机上作業共に、対人関係が影響する達成感や快の情動が生じている。しかしその内容は調理作業の方が多彩であり、また発見の驚きが強く、自己効力感を持ちやすい傾向から、より未来志向的であった。 【考察】調理作業と机上作業の特徴的差異として、POMSにおいて他因子と負の相関を示す「活気」が、立位で肉体的動作を伴う調理作業前後で変化がなく、座位の机上作業では有意に低下している点があげられ、それぞれ作業前後での「疲労」の差にも通じるものであった。
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Research Products
(4 results)