2015 Fiscal Year Research-status Report
日本と中国における保育所幼児の生活習慣、排便習慣および体質と腸内細菌叢の比較
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26350169
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
三成 由美 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60239324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 萍 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (00638679) [Withdrawn]
徳井 教孝 産業医科大学, 付置研究所, 教授 (50207544)
酒見 康廣 中村学園大学短期大学部, キャリア開発学科, 教授 (90124130)
萩尾 久美子 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (90537226)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保育所幼児 / 食生活 / 排便習慣 / 中医学 / 体質診断 / 評価方法 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と中国の保育所幼児の栄養素等の摂取状況を明らかにし、食生活や生活習慣や排便習慣と関わりについて検討し、さらに腸内細菌叢を評価指標として検討したものである。 日本においては、調査期間は平成26年12月から平成27年3月。調査対象者は福岡県内の保育所で同意が得られた幼児83名である。調査内容は、1)食生活に関する実態調査、2)食事の実態調査(秤量記録法で平日3日間の朝食、夕食、間食の食事区分ごとの献立、食品名を食事記録シートに記入および同日の食前食後の料理写真撮影)、3)排便調査、4)排便記録調査、5)体質診断調査などの調査を全て実施して解析も終了することができた。 採便後の腸内細菌叢の分析は㈱テクノスルガ・ラボに依頼し、Nagashima法によりT-RFLPで解析した。 その結果、対象幼児の栄養摂取状況の結果より、特に食物繊維の不足は38.3%であり、食物繊維摂取量別3群と腸内細菌叢の関連をみると適量摂取の中摂取群が推定される菌群のLactobacillales目の割合が高い数値であった。食物繊維の過剰摂取は腸管からのミネラル吸収を低下させる報告があるが、食物繊維の過剰は腸内環境改善に寄与しないことが示唆された。生活習慣については、遊びで、外でよく遊ぶが推定される菌群のBifidobacteriumとLactobacillales目の割合が高い数値であった。幼児の健康増進や生活習慣病予防には腸内環境改善のための規則正しい食生活の在り方や生活習慣改善のための個々人に対応した食育が重要であると考えられる。 平成27年度は中国の保育所の幼児を対象に全ての調査を実施することができた。採便はサンプルを日本に持ち帰りが不可なため、分析については検討中である。今後、中国の幼児の栄養や健康状態について解析し、問題点を抽出後、日本、中国それぞれの保育所で食育プログラムに反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本と中国の保育所幼児の調査は全て終了し、中国の採便の分析を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
中国の保育所幼児の採便は日本に持ち帰りが不可なため、中国科学院に分析を依頼することができた。今後は、日本と中国の解析結果より問題点を抽出して食育プログラムを作成し評価する予定である。また、その成果をアジア栄養士会議で発表し、論文にする予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度は中国幼児の採便を日本に持ち帰ることができず、腸内細菌叢の分析を行うことができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に、腸内細菌叢の分析代にあてる予定である。
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Research Products
(18 results)