Outline of Annual Research Achievements |
食後高血糖や血糖変動が酸化ストレスを増大させ,動脈硬化を促進させることが我々の研究を含め多くの報告がある.また,糖尿病患者の血中の終末糖化産物(AGEs)が糖尿病合併症リスクを増大させることが注目されている,しかし,食品に含まれるAGEsが糖尿病患者にどのような影響を与えるかについては未知数である. 本年度は,肥満女性における終末糖化産物(AGEs)に及ぼす要因について検討を行った.対象は女性26名(51±8歳,28.6±3.3kg/m2)の肥満者で,除外基準は糖尿病に罹患している者,喫煙者,多量飲酒者(日本酒換算3合以上/日),妊娠・授乳中の者などである.測定項目は,身体計測(体重,BMI,ウエスト周囲径,血圧等),血液検査(血清脂質,肝機能,PAI-1,HbA1c等),血中AGEs(分光蛍光分析法),食事調査(秤量法で3日間の食事記録)である.ベースラインにおいて,血中AGEsとの単相関を検討した.各種項目では,体重,BMI,ウエスト周囲径に相関はみられなかった.血液検査では,TG(r=0.441,P=0.02),GOT(r=0.425,P=0.03),γ-GTP(r=0.437,P=0.03)で正の相関がみられた.各種栄養素では,エネルギー,タンパク質,脂質,炭水化物,ビタミンA,ビタミンD,ビタミンEに相関はみられず,ビタミンB1(r=-0.398,P=0.04)で,負の相関がみられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肥満女性における終末糖化産物(AGEs)に及ぼす要因について検討を行った結果,ベースラインにおいて,血中AGEsとTG,GOT,γ-GTP,ビタミンB1が関連していた. しかし,当初の糖尿病食のデータベース作成には至っていない.
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